昨年の秋から思っていることなのだが、2007年に「サブプライム問題」として問題化し、昨年秋から「金融危機」と呼ばれるようになった今日の状況は、バブル崩壊後の日本経済を、まるでVTRの早回しで見ているようだ。時刻が一致するポイントは2008年9月15日(リーマン・ブラザーズ倒産)と1997年11月24日(山一証券自主廃業発表)だが、この前後がどうやら倍速以上の「早回し」なのだ。 日本のバブル崩壊は株価的には1990年から始まり、経済が明らかにピークアウトしてスランプに入ったのは1992年からだった。その後、1995年に景気の小回復があり、しかし1997年4月には消費税率引き上げが実施されて経済に急ブレーキが掛かった。1997年11月に三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券とそれなりの大きさの金融機関の破綻が相次ぐと、金融機関どうしの相互不信が高まり、金融機能が急低下すると共に消費者のマインドも冷