スイスにある防空壕は、緊急事態にスイスに住むすべての人を収容することができる。このような施設は世界中どこをとっても見当たらない。 「なぜこんなに重厚なドアが地下室にあるの?」と外国からのゲストは質問する。なぜなら、重装備のドアの奥に、ワインや古本が保管されているのを不可解に思うからだ。それは、スイスの家で実際に目にする防空壕の入り口のことである。これは、原子爆弾攻撃といった最悪の事態に住民を守る。重厚な鉄筋コンクリートのドアの横には、換気装置とガスフィルターが設置されている。 スイス人のメンタリティー かつては防空壕と呼ばれた、地下にある核シェルターは、スイスのどこにでも常設されているが、これは、スイス人のメンタリティーに基づいている。スイス人は何よりもまず身を守ること考え、すべての起こりうる危険に対して保険をかける傾向にあり、支出の2割を保険に充てる家庭もあるほどだ。もっとも、核シェルタ