安倍総理が日本国憲法と自衛隊の関係について、次のような踏み込んだ発言をした。 「実は憲法学者の7割が、9条1項・2項の解釈からすれば自衛隊の存在自体が(憲法違反の)恐れがある、という判断をしている。自衛隊の存在、自衛権の行使が憲法違反だと解釈している以上、当然、集団的自衛権も憲法違反となっていくのだろう」 この安倍総理の発言は正当である。 拙著『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)で繰り返し、繰り返し論じたように、「集団的自衛権の行使容認によって、立憲主義が破壊された」と叫んでいた憲法学者の多くが「偽りの立憲主義」者だった。何故なら、彼らは、自衛隊の存在そのものを「違憲」の存在と見做しているからだ。彼らの解釈に従えば、自衛隊の存在こそが「立憲主義」を破壊するのであって、「立憲主義を破壊する自衛隊を廃絶せよ!」と主張するのが正当な主張であったはずだ。 だが、自衛隊廃止論を展開すれば、多くの