地球は今から46億年前に誕生したが、生命はそのうち後半80%もの長い時間に存在している。また40億年前には海が誕生したので、それ以降で見れば何と後半95%の時間が生物の世界だ。すなわち、地球の歴史は生物の歴史として捉えることはあながち的外れではない。 こうした長い歴史を「超圧縮」したきわめて面白い読み物が出た。本書はこうした地球環境とSDGs(持続可能な開発目標)を考える上で打って付けの啓発書だ。地球上で38億年前に生まれた生命がどのようなプロセスを経て今に至ったかを、極めてエキサイティングに描きだしている。 タイトルにあるように地球生物全史を「超圧縮」したものだが、圧縮するために選んだ題材は、いずれも興味深いものばかりである。著者は進化生物学の専門家で、BBCなどでテレビやラジオ番組を製作してきた科学教育のプロフェッショナルだ。 46億年間の地球の歴史を振り返ると、生物がその時々の地球環