概要一般に、 悪辣である慈悲や容赦がない反社会的で人間性に欠けるこうした人間のことを、日本では古くは「鬼」、現在では「悪魔」にたとえる向きがある。 だが、日本人の宗教観においては、悪徳の具現化として描かれる「鬼」も、絶対的な悪ではない、絶対的な否定はできないものとされる。 明治期以降になって日本国内でも一般化した「悪魔」は、主に一神教(特にアブラハムの宗教-ユダヤ教・キリスト教・イスラームのもの)における“絶対的な悪徳”の具現化なのだが、独特な多神教信仰が一般化している日本では、“悪徳の具現化”は成立しても、“絶対的な否定”につながらない。 したがって、「鬼」も「悪魔」も、日本においては、相対的な評価での比喩にしか使われない。 創作の世界では、特に“悪辣である”キャラクターに対して、最初「鬼」や「悪魔」といった比喩が使われるのだが、それがエスカレートしていくと、やがて「いや、鬼や悪魔でもこ