世界遺産として知られるカンボジアのアンコール遺跡群の1つ、アンコール・トムにある寺院には、50以上の塔に5メートルもの大きさの顔が彫刻されています。 高い場所にあるこの巨大な顔を、日本の写真家が世界で初めてすべて撮影しました。 撮影したのはBAKU斉藤さん(66)。写真を通して、長く続いた内戦で傷ついたカンボジアの人を勇気づけたいという思いで、異国の地で困難を極める撮影に臨みました。 ほほえみ、怒り、厳しさ…。さまざまな表情を持つその彫刻は「尊顔」と呼ばれ、アンコール遺跡群全体で259体が残っています。今から800年ほど前、クメール王朝の12世紀後半ごろに作られました。 顔の大きさは約5メートル、塔の上部の4つの面にそれぞれついており、不思議な雰囲気を醸し出しています。 東京・代々木にスタジオを持つ写真家のBAKU斉藤さんは、この顔にひかれ、40代から撮影を続けてきました。 「大きな顔です