21世紀に入ってから正規軍同士の戦いで塹壕を多用することなどほぼ見られなくなっていました。その認識が覆されたのが、ロシアによるウクライナ侵攻です。再び重要視されるようになった塹壕、ただ穴を掘るだけではないようです。 ロシア軍の“力押し”を阻んだウ軍の塹壕戦術 ロシアによるウクライナ侵攻が開始されてからまもなく1年を迎えます。ウクライナの国土が戦場となり、なかには激戦地となった要衝もいくつか生まれました。こうした場所での戦闘で再び注目されるようになったのが、兵士たちが掘る“穴”、すなわち「塹壕」の存在です。 拡大画像 陸上自衛隊の機関銃陣地。すべて掘り下げられ、極力露出しないように構築されている(武若雅哉撮影)。 侵攻当初のロシア軍は、早期に決着がつくと考えていたのか、物量にモノをいわせて戦車を中心とした大量の地上部隊をウクライナへと送り込みました。しかし、あまりにも目立ちすぎること、そして