明治の日本語を虫瞰し、変化を体験する 今野真二『日本語のミッシング・リンク 江戸と明治の連続・不連続』 円満字二郎 時代の変化を指摘することは、たやすい。しかし、時代の変化について具体的に語ることは、存外にむずかしい。ある時点とある時点とのものごとの違いはだれの目にも明らかであっても、その違いがいつ、どこで、どのように生じたのかは、注意深い者の眼にしか映らないからである。 芭蕉や西鶴、近松が使った日本語と、われわれが使っている日本語とは、かなり異なる。その違いが文明開化の明治に生じたというのは、多くの人が知っていることだろう。明治の二〇年ごろから始まった文語文から口語文への変化、いわゆる言文一致運動である。 とはいえ、明治という時代に、日本語には実際にどのような変化が起きていたのか? 本書では、近年、旺盛な著作活動をくり広げている日本語学者が、「漢字・漢語=漢文脈からの離脱」という視点から
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