今年、生誕百十年を迎えた児童文学者の石井桃子さん(一九〇七~二〇〇八年)と縁が深い「東京子ども図書館」(中野区)が、石井さんの肖像や自筆色紙の写真などをまとめた資料集を作った。他の図書館や文庫がフェアで石井さんの作品を紹介する際に写真を探す手間などを省いたり、ファンに持っていてもらったりしようと、一部三百円で販売している。 石井さんは現在のさいたま市浦和区出身。六人きょうだいの末っ子として育った子ども時代をつづった「幼ものがたり」、「ノンちゃん雲に乗る」といった作品を残した。「くまのプーさん」や「ちいさなうさこちゃん」シリーズなどを翻訳し、国内に紹介した功績でも知られる。子ども向け図書館を先駆的に導入した米国などで学び、五八年に杉並区の自宅に開いた「かつら文庫」は、東京子ども図書館の母体になった。 資料集には、石井さんが編集者だった頃の肖像や自筆色紙、かつら文庫の写真などを掲載。図書館のス
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