■反対意見を持つ相手を味方にする方法 第一次世界大戦の直後、米国上院議員ロッジ氏とハーバード大学ローレル学長が、ボストンで国際連盟についての公開討論を行なうことになりました。国際連盟は現在の国際連合の前身で、アメリカのウィルソン大統領が提唱したものです。ロッジ上院議員はそれに反対する中心人物です(最終的にアメリカ政府は国際連盟への加盟を断念しました)。 彼はボストンの聴衆の大半が自分の意見に反対しているのを感じていました。しかし、みんなを説得しなければなりません。どうすればいいのでしょうか? 聴衆の考えを正面から非難する? いや、それはだめだ――。彼は、抜け目のない心理学者でもあったため、自分の願いをそんな未熟なやり方で台なしにはしませんでした。 ロッジ議員はまず、「親愛なるアメリカ国民の皆さん」と呼びかけて、聴衆の愛国心に訴えかけました。聴衆との意見の相違を小さく感じさせ、同じように大切
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