第457回で、敵味方識別に使用する機材の主役である、IFF(Identify Friend or Foe)について書いた。電波を用いて誰何して、電波を用いて応答する仕組みだが、そこでやり取りする情報が平文のままで、果たして安全性・信頼性を確保できるものであろうか? 軍用IFFには暗号化機能が必要 そこで、軍用のIFFでは暗号化機能を併用するのが一般的。つまり、誰何や応答に用いる無線のやり取りを暗号化して、第三者に内容が漏れないようにする。暗号化した通信を成立させられるということは、双方の当事者が正しい鍵を持っているということだから、そういう意味でも信頼性の実現につながるといえる。 そこで、過去のデータを洗って、IFFに関わりがある暗号化機能に関する情報を拾ってみた。アメリカで、IFFと組み合わせる暗号化機材として名前が出てきたのが、手持ちのデータの中ではKIV-77とKIV-78の2機種。