デモクラシー(民主政)はデモス(民衆)が主権者として社会を支配する仕組みで、なにが正しくて、なにが間違っているかは市民の議論で決めることになっています。このとき、参加者の認知的な条件が一定の範囲に収まっていることが暗黙の了解事項になっていますが、この前提はつねに成立するのでしょうか。 誰もが学生時代にイヤというほど見せられた偏差値では、学力は正規分布し、それを図にするとベル(釣り鐘)のかたちになります。このベルカーブでは、平均(偏差値50)付近がもっとも多く、偏差値40から60のあいだに全体の7割(68.26%)が収まります。偏差値60~70は13.59%、70~80は2.14%で、偏差値80以上は0.14%しかいません。 ここまではときどき話題になりますが、ほとんど触れられないのは、偏差値40以下、30以下、20以下も同じ割合だけいることです。「少年院に収容されている若者の多くがケーキを