これまで、さまざまな観点から「艦載コンピュータ」について取り上げてきた。その内容は、基本的には武器系、つまり戦闘システムに関わる分野であった。しかし、艦艇は「フネに武器を積んだもの」であるから、まずフネとして機能できなければ話は始まらない。そこで、その「フネとしての機能」に関わる、武器系以外のコンピュータについても触れておこうと思う。→連載「軍事とIT」のこれまでの回はこちらを参照。 フネを動かすとなると出てくる「測位・航法」 艦船を動かす際には、まず自身が備えている航行用の装備、つまり機関や舵といったものを制御したり、動作状況を把握したりする必要がある。近年では機関もコンピュータ制御のものが増えているから、そこでまた、コンピュータの出番が増える。 そして、フネをどのように動かすかという話になると、測位・航法という話が入ってくる。まず、現在の位置がどこかを正確に把握した上で、目的地までどう