2012年は韓国の夏も暑かった。7月末から8月にかけては連日気温が35度を超えた。オフィスでも家庭でもエアコンがフル稼働状態だったが、韓国政府は「力ずくの節電」で昨年夏の「ブラックアウト直前の悪夢」再現を阻止している。 一難去ってまた一難。今度は「格安電気料金」のせいで、天文学的な赤字を抱える韓国電力が政府に反旗を翻した。 大臣より偉い韓国電力社長 「韓国電力社長、更迭か」――。2012年9月4日。韓国の主要紙にこんな記事が一斉に掲載された。韓国の独占電力会社である韓国電力の金重謙(キム・ジュンギョム)社長(62)が就任からわずか1年で更迭される可能性が高まり、政府が後任人事の検討に入ったという内容だ。 韓国電力は上場企業だが、政府が51%超の株式を保有する公企業でもある。人事権は政府が握っており、昨年、金重謙氏を「大物社長」として迎え入れた。 何が大物かと言えば、李明博(イ・ミョンバク)