元気がでない。一週間しかたっていないのに、あの山でのきわめて単純な、身体を動かし、空気を吸い、飯を食い酒を飲み、テレビは天気予報とニュースを見るだけ、あとは本だの新聞だを読もうとするのだが疲れきっていてそのまま寝てしまう毎日に戻りたい。翌日朝起きて天気がよければ、これは天のお恵みと喜び、また一日が始まるわけです。これを8日間やった。なんたる幸せ、であったことか。なんたる贅沢、であることか。 もちろん、単なるスキー滞在者や夏山滞在者にしても、山の生活のいちばんおいしいところだけを、いくばくかの金を出して、お借りしているにすぎない。今でも昔からのパターンで一年を通して暮らしている人々にとっては、観光化で現金収入も増え、外部とのかかわりも増えたとはいえ、雨の続く長い秋、雪の季節の木造の家の管理、収入源の牛の、採乳作業を始めとした管理は大変だろう。山の人の頑固さには都会育ちの私はイライラされること