ここ数年、日本のビーチでは、「ラッシュガード」と呼ばれる水着の普及によって、長袖姿の海水浴客が圧倒的に増えてきた。 「ラッシュガード」のラッシュ(rash)とは発疹や吹き出物という意味で、擦り傷や日焼けによるただれから皮膚を守る(guard)ものというのが原義だそうだ。もともとはマリンスポーツでアンダーウェアとして着用されていたが、前あきでゆったりとした形のものが登場し、水着の上着として使用されるようになった。日焼けを嫌い、体形を人目にさらしたくない日本の女性たちにとって、顔や首筋まで覆うことのできるフード付きラッシュガードはまさに光明だっただろう。かくいう私もこの恩恵にあずかり、この夏、水遊びを楽しむことができた。 ところが同じ頃、フランスではよく似た形状の水着が、政治的・社会的な大問題をひき起こしていた。8月の中旬、フランスの海沿いにある20以上の市町村の長が、行政区内のビーチで一定の
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