初の議会演説に見る、「コミュニケーション能力」のすごさ 2009年2月24日のバラク・オバマ米大統領の初の議会演説は、「Gift(持って生まれた能力)」といわれる大統領の「コミュニケーション能力」を再認識させるもので、経済危機の中で極端に自信を失ってしまった米国民の気持ちを「Uplift(持ち上げる)」する役割を果たしました。65回の喝采と37回のスタンディングオベーションを得たオバマ大統領のスピーチは、テレビの生放送およびインターネットでのストリーミング配信によって米国のみならず全世界に発信され、大統領がスピーチで紹介した、納税者が政府の支出について調べられるWebサイト「Recovery.gov」には、1秒間に3000アクセスが記録されるほどの熱狂ぶりとなりました。 図●「Recovery.gov」で公表された財政支出内訳 画像をクリックして拡大できます 一部の政治評論家や共和党をお
今度の金融危機で、金融の世界も、経済の世界も非線形な世界だということが理解されただろう。 以前の記事(「金融クライシスを引き起こしたのは『非線形』」)で、自然現象が非線形であることを解説した。台風の発生も津波の発生も車の周りの空気の流れもそうだ。道路の渋滞の発生は自然現象と社会現象の中間の非線形現象だ。株や為替の商品市場の変化のチャートを見れば、これらの世界が典型的な非線形な世界だということが分かる。 昭和初期の大恐慌ももちろん大規模で非線形な経済現象だ。しかし、以来80年を経ているが、社会科学と経済学の進歩はゆっくりすぎて、いまだに非線形な現象を制御できないのだ。 金融商品は2週間で作ることができると言われている。工業製品はいろいろだが、人命をあずかる輸送機器なら4~5年は必要だ。少しでも手抜かりがあれば人命にかかわる事故になるかもしれないため、長い開発期間を要求することになる。 三菱ふ
2006年9月に開始した「U35男子マーケティング図鑑」。その第5回(2006年10月)に登場した「草食男子」が、2年の時を経て各方面で話題を呼んでいる。今、「草食男子」が注目を浴びる理由は何か。連載著者であり、名づけ親である深澤真紀氏にお聞きした。 (聞き手:日経ビジネス オンライン編集委員 大塚 葉 構成:橋中 佐和) ――最近「草食男子」「草食系男子」という言葉がメディアで頻繁に取り上げられていますが、もともと「草食男子」は深澤さんが名づけた言葉でしたね。 深澤 はい。最初に書いたのは、2006年10月です。連載「U35男子マーケティング図鑑」の第5回で「草食男子」を紹介しました。 ――もう2年以上前ですね。 深澤 そうです。だから最近になって「草食」という言葉が注目されて、ちょっとびっくりしています。 ――連載は後に、単行本『平成男子図鑑』 として弊社から発行しましたが、改めて、深
前回のコラムでは、インターネットのバナー広告とテレビCMでは、広告の効果が期待されるポイントや、効果測定の余地などで、メリットとデメリットが大きく異なるという話を紹介しました。 もう一つ、少し話は脇道にそれますが合わせて紹介しておきたいのが、市場の認知を高める上で、テレビCMとインターネットを活用したマーケティングでは、期待される認知効果の時間軸が大きく異なるという点です。 過去に「“お祭り騒ぎ”だけがクチコミマーケティングではない」というコラムでも、クチコミの盛り上がり方には、短期間で一気に盛り上がる「お祭り型」と徐々に時間をかけて盛り上がる「ファン獲得型」の2種類があることを紹介しました。 インターネット上の「クチコミ」というと、バイラルマーケティングやバズマーケティングという言葉が注目されているように、短期間で一気に盛り上がるのがインターネット上のクチコミの特徴であるかのように表現さ
前回の記事はこちら ── 著書の『買い物する脳』(早川書房)では、日本、米国、英国、ドイツ、中国の5カ国で計2000人余りの被験者を集めて行ったニューロマーケティングの興味深い実験結果が紹介されています。あれほど大がかりな実験に取り組んだのはなぜですか。 マーチン・リンストローム 第1の理由は、「ニューロマーケティング」と呼ばれる新たな調査方法が信頼できるものなのかどうかを自ら確かめたかったからです。 人間の行動の85%は無意識のうちに行われています。つまり、我々の行動の大半は潜在意識によって決定されている。消費者の行動を本当に理解しようとすれば、潜在意識を調べることが必要になります。 ところが、現在のインタビューやアンケートによる調査では、潜在意識までは把握できない。それをニューロマーケティングによって解明できるのかどうかを確認したかったわけです。 全く正反対の反応を被験者の脳が示す も
インターネットの普及によってマスメディアが衰退し、ネットメディアがそれに取って代わる。最近ではネット、リアルを問わずあらゆるメディアで見かける論調です。 景気が急速に後退した2008年、テレビ局の広告収入の激減、多くの雑誌の休刊・廃刊や大手新聞社の経営状況の悪化など、いよいよ広告スペースの販売収入に依存した従来のマスメディアのビジネスモデル崩壊が現実味を帯びてきました。 それに伴って、急激に縮小し始めたマス広告市場を長らくビジネスのメインドメインとしてきた広告代理店の大幅な収益の悪化もいよいよ表面化してきています。 とは言え、広告収入だけでは成り立たない 一方、衰退傾向が顕著になったマス広告に代わってここ数年成長してきたインターネットの広告費は、2007年についに6003億円(前年比124%)と、雑誌の4585億円を上回り、中でもモバイル広告は、携帯電話の契約数が2007年12月時点で約1
昨年10月に米国で出版されたニューロマーケティングの本がベストセラーとなり、マーケティング関係者の間で話題となっている。 著者は、「五感ブランディング」という新たな手法を提唱し、ブランドマネジメントの専門家として頭角を現したマーチン・リンストローム氏。日米英など5カ国で行ったニューロマーケティングの実験結果をまとめた。 その多くは、これまでのマーケティングや広告宣伝の“常識”を覆す内容。ニューロマーケティングが現在の消費者調査の限界を克服する可能性を示した。 マーケティング関係者の間で関心が高まっているニューロマーケティング。それは、脳科学のアプローチを応用して人間の消費にかかわる心理や行動を解明しようとする試みである。2004年頃から欧米で盛んになり、日本でもここ1~2年の間に具体的な取り組みが見られるようになった。 このニューロマーケティングをテーマとしているにもかかわらず、リンストロ
小売りの巨人・セブン-イレブンに対抗すべく、イオングループがファミリーマートに接近しました。記者会見では否定していましたが、コンビニの二極化は着々と進行しているようです。 しかし、どうでしょう。モノが売れず、利益が上がらないから、売却、買収、合併に活路を探す。百貨店もショッピングモールもスーパーマーケットも。それでも、売り上げが改善されないから、さらなる吸収合併。日本の小売り風景は、ますます単一化に向かっています。何だか、違う力に突き動かされているとしか思えないのですが。 もともと、百貨店もスーパーも、そしてコンビニも個人商店から小売りを奪ってきた張本人。大量販売によって、商品の多様化を実現して、消費者のあらゆる要求に応えるとうたってきたはずです。 その結果は?売れない商品は、すぐに棚落ちして新しいものに置き換えられる。それを繰り返すために、メーカーは新商品を乱発せざるを得ない。ロングテー
「銀行は弱っているし、大手の同業も自分の火の粉を振り払うのに精いっぱい。小売業界にとって、誰も助けられない時代の幕が開いた」。1月29日、北海道の老舗百貨店、丸井今井が民事再生法適用を申請した(囲み記事参照)。この報道を聞いた大手百貨店の幹部はこう言って、ため息を漏らした。 小売業の販売不振に歯止めがかからない。深刻なのが百貨店業界だ。日本百貨店協会の調べによると、2008年の売上高は前年比4.3%のマイナス。12月に限ると前年同月比9.4%減と、調査を開始して以来、最悪の数字となった。衣料品は18カ月連続、美術・宝飾・貴金属は22カ月連続で前年実績を割り込んでいる。 最近では、限られた需要を意外なライバルに奪われている。「地方で百貨店が総取りしていたブランド品の販売を、ウォン安で旅行客が増えた韓国に持っていかれる」(地方百貨店幹部)。現在、日本の26空港から韓国との定期便が週に418便も
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン ここのところ、仕事が忙しいです。以前にもこのコラムで紹介した「Amebaのブログネタ」への広告出稿の問い合わせが増えているからです。 そしてプレゼンテーションした案が、かなりの確率で決まります。出稿してくださる広告主は、広告業界で言うところの「ナショナルクライアント」と呼ばれる長年にわたって大きな予算を広告で使ってきた企業が多いです。あまり具体的に書けないのが読者の皆さまに申し訳ないのですが、生活者にリーチしてマーケティングメッセージを伝達するのに、従来のマス媒体に加えて「インフルエンサー」と呼ばれるブロガーと連携していく戦略を採用する企業が、従来マスメディア主体だった企業を中心にここに来て増えている実感があります。 もちろんテレビCMを完全
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン すっかりバレンタインデーとは無関係な生活を送るようになって約10年が経ちました。でも今年は日頃のお礼をこめて、身近な人たちにチョコレートを贈ろうと思います。しかも苦いチョコではなく、寒い季節に心が温まる思いっきり甘いチョコ限定で。 特に心境の変化が訪れたわけではなく、友人が“チョコレート大使”を買って出たことが事の始まりでした。チョコレート大使といっても、ベルギーの優れたショコラティエに与えられる称号とは全く関係なく、もちろん外務省も全く関知しない、「フェアトレードチョコを広める!」というミッションを持って行動する人のことです。 チョコレート大使である友人は、バレンタインの期間限定でチョコの注文を取り、フェアトレードショップから仕入れ、ラッピ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 以前、このサイトで「U35男子マーケティング図鑑」(単行本では『平成男子図鑑』)を連載していました。この第5回目、2006年10月に私が名づけた「草食男子」という言葉が、2008年後半から女性誌やネットから話題になり始め、今や新聞やテレビなどでも大きく取り上げられるようになりました。昨年から今年にかけて、私もたくさんの取材を受けています。 「草食男子」と「肉食女子」 「U35男子マーケティング図鑑」の連載時には、「リスペクト男子」や「しらふ男子」という言葉の方が反応が多かったので、「草食男子」がブレイクしたのはちょっと意外でした。 取材を受けていると、女性誌の編集者やライターの女性たちが、「最近、恋愛に興味がない男子が増えていて、女性読者は困
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