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ブックマーク / readingmonkey.blog.fc2.com (20)

  • 100の職業でどんな数学を使うのか1枚の表にまとめてみた

    前回の記事で「誰が、どんな数学を、どのように使っているか」の表がクリックしても大きくならない、見えない、見たい、なんとかしろ、という話があったので、それを。 Hal Saundersの書物When Are We Ever Gonna Have to Use This?にある 「100の職業人に聞きました、あなたが仕事で使う数学はどんなん?」をまとめた表をそのままスキャンして貼り付けるのもどうかと思ったので、これを元に、より多くの数学のスキル/知識を使う職業から順にソートして並べてみた。 Saundersは、職業人に使われている数学を60のトピックにまとめているが、これについても、より多くの職業で使われるものから順に並べた。 (クリックで拡大) 元のデータをgoogle spreadsheetにアップロードしました(2017.12.31) 元々このは、教科書に頻出するあまりに非現実的な応用

    100の職業でどんな数学を使うのか1枚の表にまとめてみた
  • 誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類した

    数学嫌いはどこから生まれてくるのか? よく聞かれる「役に立たないから」なる理由は、実のところ良くて後付け悪くて言い訳であって、その実態は、算数や数学につまずいて分からなくなった人たちが、イソップ寓話のキツネよろしく「あのブドウ(数学)は酸っぱい(役に立たない)」と言い広めているのである。 ならば撃つべきは〈算数・数学のつまずき〉である。 以下に示すのは、小学校の算数から大学基礎レベルの数学まで、「つまずいて分からなくなる」箇所を集めて16のカテゴリーに分類したものである。 一度もつまずかず専門レベルまで一気に駆け上がることのできた一握りの天才を除けば、数学が得意な人も不得意な人もみなどこかでつまずいたであろう、さまざまな算数・数学の難所が挙げられている。 この分類が示そうとしていることのひとつは、同じ〈根っこ〉をもったつまずきが、小・中・高・大の各レベルで繰り返し出現することである。 たと

    誰もがどこかでつまずいた→小学校の算数から大学数学まで126の難所を16種類に分類した
  • カフカ『変身』はラノベよりもずっと読みやすい←日本語難易度推定をやってみた

    語彙学習を最適化するために、自分のレベルにあった文章を探すにはどうすればいいのだろう? 自分の語彙数は、 「語彙数推定テスト」( NTTコミュニケーション科学基礎研究所) http://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/resources/goitokusei/goi-test.html 語彙推定テスト で分かった。 それから語彙を増やすには読書が一番ということ、それも分からない言葉だらけのものより、出てくるほとんどの言葉は分かるが、その中に少しだけ知らない単語が入っているようなものを読むのがもっとも学習効率がよいらしいことも できる子はできない子の4.6倍のボキャブラリーがあるー日語の語彙の測る/増やす方法 読書猿Classic: between / beyond readers で触れた。 あとは自分のレベルに合ったものを読むだけなのだが、今日はそれに役立つウェ

    カフカ『変身』はラノベよりもずっと読みやすい←日本語難易度推定をやってみた
  • 読めないとはこういうこと→勉強できない子をあぶりだす5つの質問

    例によって体調不良なので短いものを。 読む力が大切だとか、国語力はすべての学力の根だと、誰もが口にする。 間違っているとは思わないけれど、〈読む力〉や〈国語力〉が具体的にどういうものなのか、ちゃんと話している人たちの間で共有されているのかというと、あまり確信がない。 〈読む力〉がどういうものか説明しようとすると、どんどんと細かい話や、それ自体説明しなきゃならない難しげな概念などたくさん登場してきて、長くなるばかりか分かりやすくも無い。 できるだけシンプルで身にしみそうなのを紹介する。 下の5つの質問は、もともと小学生対象に使われていたものだが、自分や、周囲の大人や子どもにも試してみることができる。 (1)まさおくんは、キャラメルとあめとでは、キャラメルがすきです。キャラメルとチョコレートでは、チョコレートのほうがすきです。まさおくんの一ばんすききなのは、どれですか。 (2)りんごとなしで

    読めないとはこういうこと→勉強できない子をあぶりだす5つの質問
  • こうすれば読書感想文が書ける/今すぐ使える穴埋めシートと構成パターン

    を読まなくても読書感想文が書ける」みたいな話は(「これをコピペしろ」みたいなサイトを含めて)ネット上にいくらも転がっている。 もう少し心ある人に向けて、「ちゃんとを読んで、いくらかましな感想文が書ける」方法について書く。 なぜ読書感想文は面倒なのか? ところで読書感想文に零点はない。 提出さえすれば、どれだけめちゃくちゃな日語で書かれていてもリジェクト(突き返)されることはまずない。 落とされるとすれば、他人が書いたものをコピペ(丸写し)した時ぐらいだ。 なんとなれば、多くの読書感想文出題者は、何が読書感想文であり何がそうでないかを線引きできるような定義も持ち合わせず、したがって明確な採点基準をつくることもできず、せいぜいが大雑把な3段階評価(優・良・可)をつけるぐらいが関の山だからだ。 読書感想文は、未だに多くのところで「自由作文」的な丸投げをされている。 何のサジェスチョンもな

    こうすれば読書感想文が書ける/今すぐ使える穴埋めシートと構成パターン
  • 計算ミスと計算時間を40%減らす掛け算のやり方 読書猿Classic: between / beyond readers

    特別な場合に計算が簡単になる方法はいくつもあるが、たくさん覚えても出番が限られているから実用性は低い。 二桁の九九を覚えるのは確かに有効だが、準備に時間と労力がかかるので、敬遠されがちである。 結局、適用範囲の広さと習得の容易さのトレードオフから「普通の方法」が浮上してくる。 筆算は、紙を外部記憶として活用することで、計算中の作動記憶の消費を抑え、計算プロセスに割くことのできる認知資源を確保する。 計算が速く確実になるばかりか、計算プロセスの「みえる化」はミスの発見や、計算のさらなる改善へ向けた気づきにもつながる。 実際のところ、計算の遅い人は、しばしば手を止めて、頭に汗をかいて無理をして計算している。 当は、頭で無理をするかわりに、そこで手を動かすべきなのだ。 その方が労は少なくて計算速度は上がる。なによりも無理をすることによる計算ミスが激減する。 人々を筆算においてつまずかせるものは

    計算ミスと計算時間を40%減らす掛け算のやり方 読書猿Classic: between / beyond readers
  • フリーの数式処理ソフトMaximaで数学の高速道路に乗る

    数式処理ソフトなんか使ったらダメ人間になると心配の(親・教師は放っておけ)よい子におくる。 昔々、Mathematicaという数式処理ソフトを教えてくれた人がこんなこと言った。 「コンピュータを使って、今まで10の労力が必要だったことが3の労力で済むのだとしたら結構な話だろう。Mathematicaがもたらすのも、それと同じことだけれど少し違う。これまで1000の労力が必要だったことが300程度で何とか可能になって、一生を棒に振る範囲で済みそうになる。自分の分野の先達たちが目標にすること自体をあきらめてきたものが、バトンの形になって手渡される。Mathematicaを使うというのは、そういうことなんだ」 数式処理ソフトは計算できない子を作るか? 数式処理ソフトは微積分もできれば、方程式も解けるし、グラフも描ける。 「解を求めよ」みたいな問題はだいたい解けるから、今でも 「そんなものを生徒・

    フリーの数式処理ソフトMaximaで数学の高速道路に乗る
  • ニーチェを読む暇があったら、さっさと英語を読めるようにした方がいい

    ニーチェについて何か言いたい訳ではなくて(ニーチェは哲学者の中では割と好きな方だ。数少ない全集を持っていた著者でもある。全部で二千円だったが)、どこかで耳にしたことがある程度でしかない哲学者のだとか、いわゆる「古典」を読めば何か教養みたいなものが身につく、とでも言いたげな淡い信仰について言う。 無理。そういうことは、ない。 「教養がつく」なんて理由では、そもそも読めない。 が読めないのは、読解力がないからでも、根気がないからでも、アタマが、いやむしろカラダが悪いからでもない。たとえ、これらすべてが当てはまったとしても、もっと大きな理由は別にある。 つまり、そのを読む理由がないのだ。 まあ、ニーチェなら、痛い勘違いをしながら読み進んでしまうことがないではないが、それでも、どうして自分はニーチェなんか読まなくちゃならないのか、が分かってから読んだ方がいい(その時は、取り上げられたって読も

    ニーチェを読む暇があったら、さっさと英語を読めるようにした方がいい
  • 自爆する蟻、奴隷を狩る蟻

    「フルミ・キャミキャーズ」 何だって? 「Fourmi Kamikaze」 フランス語? カミカゼ蟻? 「Suicide Bombing Antと書いてあるページもあった」 “自爆テロ”アリかよ。絶対、ひどい誤解があるな。待て、学名が書いてある。 「カンポノータス・サウンデルシ(Camponotus saundersi)」 Camponotusってことはオオアリ属か。日の大抵のところにいる大きい蟻がクロオオアリで学名Camponotus japonicusだ。 「……バクダンオオアリ」 うーん……。 「図解があった」 下にキャプションがあるな。「このカミカゼ蟻は、敵を行動不能にするために大鰓腺(だいさいせん)を爆発させる」くらいの意味か? 「大鰓腺って何? アリに鰓(エラ)があるの?」 アリとかハチ……って区別して呼んでるが、生物分類上は、ハチ目 Hymenoptera-ハチ亜目 Apo

    自爆する蟻、奴隷を狩る蟻
  • 問い:何故学ぶのか? → 答え:自由になるため

    南北戦争以前のアメリカ合衆国南部では、奴隷に「読み書き」を教えた白人は厳しく罰せられた。 フレデリック・ベイリーは奴隷だった。 1828年、ベイリーは、農園からメリーランド州ボルティモアの街に連れて来られた。 彼の新しい「主人」は、ヒュー・オールドという男だった。 仕事は、野良仕事から内働きに変わった。 周囲の環境も、単調な農園からにぎやかな街へと変わった。 街には、店の名前を記した看板やポスターがあった。 それから、文字を読める人間がいた。 ベイリーはある日、彼の運命を変えるような発見をした。 壁や紙の上に書かれている「模様」と、それ見ている人間の唇の動きに関係があることに気付いたのだ。 そこから、彼がその国の歴史を変えるまでには、まだまだたくさんの時間が必要だった。 しかし、それからは坂を転がり降りるようだった。 苦難や危険がなかった訳ではない。 だがもう、ベイリーは元に戻ることはなか

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  • 自由主義のパラドックス

    好事家(スケベ)で知られるその客人は、かの『チャタレイ夫人の恋人』なるを「もういらないから」とテーブルの上に置いていってしまった。 カタブツで知られる父親はこう考えた。 「こんなは誰にも読ませたくないから焼いて捨てるべきだ。しかし、アイツ(客人)にどうだった?と聞かれると困るから、読んでおいてもいいかもしれない。だが、息子が読むことだけはまかりならぬ」 ところでサバケタ息子の方は『チャタレイ夫人』程度では、なんとも思わない(いや、ほんとのところそんなにエッチではない)。むしろ、こう考えた。 「あのカタブツ親父こそこの程度のものは読んでおくべきだと殊勝なことを考えた。親父が読まないなら、ひまつぶしに読んでみるのもいい。だがしかし、焼き捨てるなんていうのは論外だ」 まとめると、次の3つについて 《捨》:このは焼き捨てる 《親》:このは親父が読む 《息》:このは息子が読む 2人はそれぞ

    自由主義のパラドックス
  • 学術書や論文に出てくる略号をまとめてみた

    Author:くるぶし(読書猿) twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しいが出ました。 読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子) 2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。 読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。 Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版 韓国語版 『문제해결 대전』、繁体字版『線性VS環狀思考』も出ています。 こちらは10刷

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  • 蚊は何故もっとスマートに刺さないのか?

    蚊に刺されるとかゆいのは何故だろう? かゆいのが苦痛だから、ヒトは蚊取り線香を焚き、殺虫剤をまき、蚊帳を吊る。 蚊がもう少しスマートに仕事をしてくれれば、ヒトももう少し穏便な対処をしただろう。 どうせ吸われる血液は少量だ。 それぐらい分けてやってもいいというヒトだっているかもしれない。 マラリアのような病気を運んで来たり、しつこいかゆみを残していかなかったら、ちょっとぐらいは吸わせるままにする酔狂なヒトも出てきたかもしれない。 駆除されず、共生を選ぶヒトも出て来たかもしれないのに。 しかし蚊は、実はもう十分スマートに仕事をしているのだ。 蚊に刺されても、チクリとした痛みは無い。 これは麻酔成分を含む唾液を、蚊がその仕事のはじめに流し込んで来るからだ。 蚊が血を吸うためには、毛細血管に届く深さまで針を刺す必要がある。 しかし深く刺すことは、痛みを感じさせるリスクが高まり、蚊の命が危機に陥りか

    蚊は何故もっとスマートに刺さないのか?
  • 世界で一番広く読まれている医学書

    Author:くるぶし(読書猿) twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しいが出ました。 読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子) 2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。 読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。 Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版 韓国語版 『문제해결 대전』、繁体字版『線性VS環狀思考』も出ています。 こちらは10刷

    世界で一番広く読まれている医学書
  • 問:史上最も有名で、最も戦闘的だった統計学者は誰か? 答え:ナイチンゲール

    意志決定する人たちが数字に弱い。 基的に、四則計算しか/もできない。 かけ算割り算(それと按分ってやつ)に大小比較が、今でも最高の意志決定手段だったりする。 どれだけたくさんデータを集めても、平均値しか求めない(し知らない)。 かつて広大な領土を持つロシアでは、統計は非常に重要視された。 ほとんどのケースで「この目で見る」ことがかなわぬ状況で、統計の活用は(マイクロソフトのビル・ゲイツがそうだったように/例えば電気料金の詳細データから、照明がついている=それぞれの事務室が使用されているのべ時間を割り出し、各セクションの仕事の進捗具合や、人材の過不足を知った)、しゃぶりつくすまで徹底的に活用された。 でなければ、統治は不可能だった。 そのロシアとサルデーニャが組み、フランス、オスマン帝国およびイギリスを中心とした同盟軍と戦った。 戦闘地域はドナウ川周辺、クリミア半島、さらにはカムチャツカ半

    問:史上最も有名で、最も戦闘的だった統計学者は誰か? 答え:ナイチンゲール
  • 自宅でできるやり方で論文をさがす・あつめる・手に入れる 読書猿Classic: between / beyond readers

    100冊読む時間があったら論文を100「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers の続きというか、補遺。 大学等に所属してる人は、そこの図書館と契約してる有料データベースを駆使されたし(使い方はガイダンスがあったりするし、図書館のレファレンスでも教えてくれるだろう)。っていうか、言うまでもないだろ、そんなことは。 ここではフリー(市井)の人が使える手を考える。手はたくさんあるが、いっぱいあっても混乱するだろうから、少しだけ。必要なら追記していく。 とりあえず3つのケースに分けてみた。 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている 2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる 3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん 番外.論文なんて屋で買えるぜ 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている A.まずは

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  • マックスウェルの悪魔つかまえた?/自宅で作れる(?)エントロピー法則の「破り方」

    あのポピュラーサイエンス誌が137年分のアーカイブを無料でWebで公開してるという。 Search the PopSci Archives | Popular Science http://www.popsci.com/archives さっそく少年時代に魂を捉えて離さない「あの記事」を探してみた。 "Maxwell's Demon Comes to Life" Popular Science,June 1947, page 144-145 検索結果をクリックすると、何故だか164ページに出るので、スクロールしてページを戻ると、145ページにこの記事がある。 この記事のタイトルにもなっている「マクスウェルの悪魔 Maxwell's Demon」というのは、ぶっちゃけ分子の門番で、速い分子が来たときには門を開けて、おそい分子が来たときには門を閉じるような存在である。 すると、門のあっち側には

    マックスウェルの悪魔つかまえた?/自宅で作れる(?)エントロピー法則の「破り方」
  • 紀元79年8月24日のその朝以降、ポンペイは時間の止まった町である/本村凌二『ポンペイ・グラフィティ』

    紀元79年8月24日のその朝以降、ポンペイは時間の止まった町である。 ヴェスヴィオ火山の噴火が「生き埋め」にしてしまった古代ローマの地方都市。 考古学者たちによって厚さ6mの溶岩と火山灰を取り除かれたとき現れたのは、都市の建物、町並みは無論のこと、まるで昨日までそこで営まれたかのような人々の生活だった。 たとえば、円形競技場の剣闘士控え室で、高貴な身分の女性と思われる遺体が剣闘士のそれと共に発見された。 古代ローマの「道ならぬ恋」のひとつが、二千年の時を経て、無粋な考古学者の目の前に引き出された。 遺跡や遺体ばかりではない。再び太陽の下に現れた古代都市の街角には、今も一万を超える落書きが残っている。 古代ローマの文明の偉大さを示す公共施設や都市遺跡に、当時の人々の嘆きやつぶやき、ささやかな野心や怒りといった、ポンペイ市民の「肉声」が書き込まれている。 それも、ついさっき書かれでもしたように

    紀元79年8月24日のその朝以降、ポンペイは時間の止まった町である/本村凌二『ポンペイ・グラフィティ』
  • 貧困を「見える化」/ブースの貧困地図( Descriptive Map of London Poverty)

    ブースという人は、「科学的貧困調査」を始めた人で、近代社会政策の父、いわば貧乏の神様である。 ブースが登場するまでの19世紀の代表的な「貧困観」というのは、「貧困は個人の責任であり、社会の側に責任は無く」むしろ「無差別な救済は貧民を堕落化する」というものだった。 「普通の人たち」を自認してる中産階級下層の人たちが言いそうなことに思えるが、この考えは、相手の真のニーズに対し無頓着で、与える者の慈善心を満足させることに腐心していたそれまでの慈善事業(何だか自分探しや自己実現のためにボランティアに走る人みたいだ)に、反省を促し改革を訴えた、当時としては一定の意義を持つものだった。この反省・改革から、ソーシャルワークや、家族を支援するケースワーカーが生まれた。 それなりに進歩だった、新救貧法(1834年)や、ニーズを強調しそれまで恣意的・無秩序に行われた慈善の組織化を目指した慈善組織協会(1869

    貧困を「見える化」/ブースの貧困地図( Descriptive Map of London Poverty)
  • 一人で読めて大抵のことは載っている教科書(追記あり) 読書猿Classic: between / beyond readers

    Author:くるぶし(読書猿) twitter:@kurubushi_rm カテゴリ別記事一覧 新しいが出ました。 読書猿『独学大全』ダイヤモンド社 2020/9/29書籍版刊行、電子書籍10/21配信。 ISBN-13 : 978-4478108536 2021/06/02 11刷決定 累計200,000部(紙+電子) 2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子) 紀伊國屋じんぶん大賞2021 第3位 アンダー29.5人文書大賞2021 新刊部門 第1位 第2の著作です。 2017/11/20刊行、4刷まで来ました。 読書猿 (著) 『問題解決大全』 ISBN:978-4894517806 2017/12/18 電書出ました。 Kindle版・楽天Kobo版・iBooks版 韓国語版 『문제해결 대전』、繁体字版『線性VS環狀思考』も出ています。 こちらは10刷

    一人で読めて大抵のことは載っている教科書(追記あり) 読書猿Classic: between / beyond readers
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