東京モーターショーに向け、自動車各社の展示車の発表が出揃ったが、HV、PHV、EV、そして、通常型の超低燃費車と内容は多彩で、日本の技術力を感じさせる。これほどの技術力を誇る日本が、かくもデフレに苦しまなければならないのか、考えてみれば、不思議な光景である。 技術力の背景には、研究開発投資と設備投資がある。「法人減税で設備投資」と散々聞かされていると、日本の設備投資比率は低いように思えてしまうが、そうではない。民間企業の設備投資のGDP比は13.6%あり、歴史的には1985年当時と同じくらいである。2008年のリーマン・ショック前のピーク時には15.9%にも達していた。 リーマン前の好況の主役は、自動車を始めとする輸出産業であったから、当時の研究開発の成果が今の新製品に結実しているのだろう。また、自動車産業にとって幸運だったのは、2009年からのエコカーブームだ。石油価格の高騰という追い風