臨時国会で、野田佳彦政権下初の予算委員会が開かれ、ようやく政策論戦が始まった。しかし正直なところ異様な風景が展開されたように思える。経済政策ではほとんど深まった議論はなく、ただ「増税」のみが華々しく打ち出された。当面の議論の対象となる復興増税は大義なき増税であり、将来に禍根を残す政策となろう。 参院予算委の終盤、「たちあがれ日本」の片山虎之助議員が復興増税を批判する質問に立った。 「政府は毎年40兆円を超える赤字を垂れ流し、これを放置している。一方で、今回1回限り10兆円強の支出である復興費用だけを狙い撃ちし、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らして増税しようとするのは全くバランスを欠いている。支出の中身が決まらないのに増税の中身や期間だけをやたら細かに議論するのはなぜなのか」。野田首相からは納得いく答弁は聞かれなかった。 ≪国債整理基金11兆円活用せよ≫ 厳しい経済状況だからこそ、守るべき鉄則があ