私は帰国子女の学生だ。 しかしそのことを誰かに明かすのは、かなり抵抗がある。 ちょっとした自己紹介で「キコク」と口にするだけで、相手の表情や態度、雰囲気がピリッと変わることが往々にしてあるからだ。 いきなり警戒レベルが一段階上げられたような居心地の悪さ。これは一体何なのだろう。 今回、上智大学に通う帰国子女数名に話を聞き、その違和感の原因を探った。 押し付けられる「キコクシジョ」のイメージ 山口実結さん 山口実結さん(21)は、小学校1年生の7月から小学校4年生の夏までアメリカで暮らしていた。帰国した際の違和感について問うと、次のような経験を挙げた。 ――日本に帰ってきたときはうまく馴染めましたか? 帰ってきたときが人間関係に敏感な時期だったし、学校が荒れていたというのがストレスでした。学校に行くのが嫌な時期もありました。 あと日本の勉強に追いつけなくて。やっぱり補習校レベルだとやっている