<バイデンが自発的に適切な報告を行ったのに対し、トランプは文書の持ち出しについてごまかし、嘘をつき、法律をないがしろにした> 国家安全保障に関わる組織では、機密文書の扱い方が厳格に定められている。プロの情報機関職員が機密文書の取り扱いを誤れば、キャリアの終わりを覚悟しなくてはならない。私も昔、書類カバンを一瞬なくし、血の気が引いたことがある。 しかし、今回バイデン大統領に持ち上がった機密文書問題──副大統領時代の機密文書を個人事務所や私邸に持ち出していたことが明らかになった──は、アメリカの国家安全保障への影響以上に大きな政治的波紋を既に生み出している。バイデン支持者の間でも、2024年大統領選への再選出馬を目指す上で大きな打撃になったという見方がある。 ガーランド司法長官は、この問題を捜査するための特別検察官を任命した。これは、トランプ前大統領が私邸に機密文書を持ち出していた問題に関して