中国の2021年の液化天然ガス(LNG)の輸入量が日本を抜いて世界一になった。石炭に比べて燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出が少ない天然ガスを「低炭素」エネルギーと位置づける中国が「爆買い」しているためだ。同じ理由で天然ガスを求める国は日本を含めて少なくない。LNG争奪戦が激化すれば、各国のエネルギー政策や脱炭素戦略にも影響しそうだ。 脱炭素化急ぐ中国 20日発表された日本の貿易統計によると、21年のLNG輸入量は7431万トン(前年比0・2%減)。中国の輸入量7893万トン(同18・3%増)を下回った。15年時点で中国の輸入量は日本のわずか4分の1程度に過ぎなかったが、その後は右肩上がりで増加。市場で21年中には起こると予想されていた「逆転劇」が現実となった。 日中逆転の背景にあるのが、脱炭素化を急ぐ中国の気候変動対策だ。習近平国家主席は20年9月の国連演説で、30年までにCO2排出量を減