超低温冷凍庫で保管中のワクチンが入った白い箱(中央)=東京都練馬区の生涯学習センター分館で2023年3月8日午前10時11分、柿崎誠撮影 今年2月までに少なくとも7783万回分の新型コロナウイルスワクチンが使用されずに廃棄されたとみられることが、毎日新聞の取材で判明した。 なぜこれほど大量のワクチンが廃棄されるに至ったのか。5歳以上に接種を受ける努力義務が課され、対象者全員に接種できる数量を確保したものの、接種が思うように進まなかったことが影響している。毎日新聞が全国の自治体に実施したアンケートの回答を読み解くと、無駄遣いは避けようとした現場の苦慮ぶりが浮かび上がってきた。 「使用期限の短いワクチンが多く届き、廃棄につながった」。毎日新聞が2月に都道府県や県庁所在地、政令市、東京23区を対象にしたアンケートでは121自治体のうち21自治体が廃棄の理由についてこう回答を寄せた。