汗をかく動物は、じつはそんなに多くありません。 しかも暑いときや運動したときに大量に汗をかくのは、ヒトとウマくらいのものなのだそうです。 ヒトは何のために、どのようにして汗をカラダに備えたのでしょうか? 汗をコントロールする仕組みとともに、ヒトの進化と切リ離すことができない、汗の機能について解説していきます。 汗をかく機能がカラダに備わったのは、サルからヒトに進化する過程でのこと。 地球環境のサバンナ化によって森から草原に出てきたヒトの祖先は、食べ物を求めて広い大地を長時間歩いたり、狩りをして走り回ったりするようになりました。 運動量が増えると、体温はどんどん上がっていきますが、あまりに熱くなると、特に熱に弱い脳をはじめ、カラダの組織がもちません。 そこで、ほかの動物よりも効率的に熱を下げる仕組みが必要になったのです。 サルなど動物の全身をおおう体毛には、保温効果や細菌・紫外線など外部の刺