東京電力福島第一原子力発電所2号機で放射性物質キセノンが検出され核分裂が連鎖的に進む臨界の可能性が指摘されていた問題で、東電は3日、検出されたキセノンが極微量であることなどから臨界ではないと結論づけた。 原子炉内では、運転中に生じた放射性物質キュリウムが単独で分裂する「自発核分裂」が散発的に起きており、極微量のキセノンはキュリウムの分裂で説明できるとした。 キセノンは、1日に格納容器から採取したガスで検出された。キセノン133(半減期約5日)、キセノン135(同約9時間)ともに濃度が1立方センチ当たり約10万分の1ベクレルと極微量だったが、東電は2日、半減期の短さから判断して一時的に小規模な臨界が生じた可能性もあるとしていた。 だが、分析の結果、小規模な臨界であっても検出量の1万倍のキセノンが発生することがわかり、「臨界ではない」と判断した。 キュリウムの自発核分裂は通常の停止中の原子炉で