世界金融危機はアメリカ発で、日本の金融危機の程度はずっと小さいのに、日本経済への影響が大きいのはなぜだろうか。その一因は、日本の外需への依存度がさらに高くなっていることにある。 世界の輸入の中でアメリカの占める比重は15%(IMFデータ)にすぎないが、世界のGDPに占める比重は25%(世銀データ)である。このように数字が異なる理由のひとつは、世界の貿易は部品など中間財が多いが、アメリカでは最終消費財の輸入が大きいことである。中国の全世界に対する輸入のシェアは急増しているが、最終消費財輸入でのシェアは低いままだ。中国は部品を輸入しているが、それを組み立て最終製品になったものの行き先はアメリカである。したがって、アメリカの輸入が減少すれば、中国の輸出も減少する。日本は、中国に大量に輸出していると思っていたが、その多くは部品で、結局、最終的にはアメリカに輸出していたのと変らない。世界の最終需要の