アイデンティティ経済学 作者: ジョージ・A・アカロフ、レイチェル・E・クラントン,山形浩生、守岡桜出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2011/07/21メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 128回この商品を含むブログ (18件) を見る 経済学では、人間の行動の動機を効用関数の最大化として記述し、効用とは、主に消費や収入、余暇時間等によってきまるものとされている。また、効用関数は、個々の人間の嗜好や選好によって異なるものとされる。ここで、嗜好や選好はあくまで個々の人間に属する特性であり、まわりの環境には依存しない。だが、現実には、人間の行動は、自分が所属する社会の規範にも左右される。このことは、経済学のオーソドックスな記述の仕方を、より現実に近い記述の仕方に見直すことができる可能性を示唆するものである。 本書が取り扱うのは、そのひとつのアプローチである。人間には、個人の