中西新太郎+高山智樹『ノンエリート青年の社会空間』 ぼくは福岡で若い人の労働実態を調べ交流し学習したりする「おしごと集会」という企画に3年ほどかかわってきた。そこで「おしごとアンケート」という名前の、簡単な労働実態調査を集めてきた。初年度は業種や賃金、労働時間などを選択肢式にかなり微細に尋ねるものだったのだが、これなら統計でわかるものが多いのではないかという思いがつのり、みんなで話し合って3年目になって労働法違反の実態をあぶりだす中身に少し変えた。 ただ、やればやるほど、ぼくの中では若い人が本当のところどういう働き方をして、どんな気持ちでいるのか、ということの実像、リアルな手応えのようなものが、こちらが用意した選択肢式のものだけではとらえきれないという思いが強くなっていった。 働くことを「告発」の角度からとらえることももちろん重要なのだが、誇りややりがい、労働の周辺にある生活のようなもの、