ハウス食品(大阪府東大阪市)は8日、アサヒビールの子会社アサヒ飲料(東京都墨田区)に、「六甲のおいしい水」のブランドで知られるミネラルウオーター事業を売却すると発表した。アサヒはブランド名は変えずに、製造・販売を引き継ぐ。 神戸市にある灘採水場と六甲工場の土地や設備、ブランドの商標権などを売却する。譲渡価格は53億円。ハウスの従業員約20人はアサヒには移らず、配置転換する。奈良工場(奈良県大和郡山市)はほかの商品もつくっているため売却せず、アサヒから水の一部生産を引き受ける。5月末に手続きを終え、アサヒは7月から自社商品として販売する予定。 ハウスは1983年に水の発売を始め、09年3月期の同事業の売上高は約122億円で市場シェアは約7%。価格競争が厳しくなるなか、健康飲料に集中する。アサヒは「富士山のバナジウム天然水」を扱っており、シェアは約3%。今回の買収でシェア1割を達成できる。