KDDIは、ケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)の発行済み株式の3分の1超を取得することを、当面、あきらめることにした。現在の筆頭株主から37.8%分を取得する方針だったが、株式公開買い付け(TOB)を経ずに3分の1超を得るのは金融商品取引法に触れる恐れがあると金融庁に指摘されたため、3分の1以下に抑える。 KDDIは、米メディア企業リバティー・グローバルの三つの子会社が持つJCOM株を取得する狙いで、2月中旬にもこの3子会社を3617億円で一括買収すると1月に発表していた。3社の買収は進めるが、JCOM株のうち3分の1を超える分は他の会社などに保有してもらう方向で調整している。出資比率は下がるが、筆頭株主となる点は変わらない。 JCOMは都市部を中心に327万世帯の顧客基盤をもつ。KDDIはJCOMのケーブル回線網を活用して自社の競争力を強める狙いを持っている。