ブックマーク / syukan-anko.hatenablog.jp (119)

  • 京都の遺伝子?大納言小豆の傑作 - 週刊あんこ

    コロナ以後、お取り寄せにもハマっているが、今回は大納言小豆ファンにはたまらない逸品をご紹介したい。 素朴と洗練が見事に融合したそのお姿を見ていただきたい。 半透明の小豆羹の中には求肥(ぎゅうひもち)が潜んでいて、私の好きな叶匠寿庵(店=市が・大津市)の「あも」と似ているが、店としてはこちらの方が歴史がはるかに古い。 光を通すと、奥ゆかしい美しさが際立っていると思う。 寒天と水飴を加えたこしあんの白濁した層とそこにボコボコと咲く大粒の小豆が迫ってくる。 ヘンな表現だが、あんこ美女に「おいで」とささやかれている、一瞬そんな妄想が起きるほど。まずは目の幸福感。 たまらない予感。 その奥の求肥にはまだたどり着けない。焦ってはいけないと言い聞かせる。 創業が文政5年(1822年)、現在7代目。関東でも超老舗の「鹿島菓匠 丸三老舗(まるさんしにせ)」の「常陸風土記(ひたちふどき)」である。 今回

    京都の遺伝子?大納言小豆の傑作 - 週刊あんこ
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    maxa55 2020/09/06
  • 炎天下のくず桜、コロナ帰省の涼 - 週刊あんこ

    かつて「西の西陣、東の桐生」とうたわれた、群馬・桐生市の和菓子屋さんで見つけた絶品「くず桜」を取り上げたい。 ローカルの奇跡というとちょっとオーバーかな。でもそのくらい。 コロナと酷暑をまとめて吹っ飛ばしたい。あんこ好きとしてはこういう時こそ一息つける水菓子と出会いたい。 水菓子。みずがし。来は果物を指すが、和菓子好きにとっては「水ようかん」や「くず桜」など夏に冷やしてべと美味しい生菓子も水菓子なのである。 その水菓子の逸品を桐生市の中心部で見つけた。 町通りに小さく店を構える「御菓子司 辰見屋(たつみや)」。セピア色が似合う古い和菓子屋さんで、歴史のある街にはこうした時間の大波に流されずに踏ん張っている古い杭のような店がある。 「辰見屋」もその一つで、タネを明かすと、たまたまの実家が桐生市で、お盆なのでお墓参りに来たついでに市内をブラ歩き中に、私のあんこセンサーにヒットした。 創

    炎天下のくず桜、コロナ帰省の涼 - 週刊あんこ
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    maxa55 2020/08/16
  • 叶匠壽庵「あも」と水菓子 - 週刊あんこ

    コロナ自粛で体半分だけお取り寄せにハマっている。 今回ご紹介するのは、個人的な歴史だが、あんこ好きには避けて通れない逸品だと断言してしまおう。 柔らかな求肥(ぎゅうひもち)をほろほろとこぼれ落ちそうな丹波大納言あんこで羊羹状に包み込んだ「あも」(1棹)、水ようかん(2個)、栗蒸し羊羹(2個)、梅ゼリー(3個)をセットにした叶匠壽庵(かのうしょうじゅあん)の「銘菓詰合せ 夏」(税込み 3456円)。 主役はもちろん「あも」。御所の女官言葉で「お(もち)」のこと。これを商品名にしたのだから、目の付け所が凄すぎ。 つい先日のこと。遠出できないストレスがマックスになりかけたあんこ脳にポッと浮かび上がってきた。あの、奥ゆかしくもなまかしいお姿。 あんこ界のたおやかな女官、ってところかな。 クロネコで届くと、冷蔵庫で30分~1時間ほど冷やしてから、水ようかん⇒栗山家(栗蒸し羊羹の一種)⇒あもの順で

    叶匠壽庵「あも」と水菓子 - 週刊あんこ
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    maxa55 2020/07/12
  • 風味圧巻「饅頭界のブスカワ」比べ - 週刊あんこ

    今回は究極の田舎まんじゅうを取り上げたい。 京都の上生菓子「織部まんじゅう」の対極とも言える。 初めて対面したとき、あまりの容貌魁偉(ようぼうかいい)さに息を飲んでしまった。 まるでげんこつ、大きさもげんこつ大。蒸かし立ての表面は旨そうなテカリを発散していて、しかもひび割れまで走っている。 なんちゅうお饅頭か。 表現を変えると、まんじゅう界のブスと言いたくなる。 愛おしいブス。ブスカワこっちのたとえの方が近い。 手で割ると、皮のもっちり感、ふかふか感、中にぎっしりと詰まったあんこ。 このあんこがあまりに素朴で、ほとんど渋抜きをしていないよう。 甘さと塩気がほどよい。横綱格の不格好まんじゅうだと思う。 「人もまんじゅうも外見で判断しちゃァいけニャーぜ」 奥からそんなつぶやきが聞こえてきた。 利根川と江戸川の分岐点、茨城・猿島群境町にある「花家(はなや)」の「小麦まんじゅう」である。昔から

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    maxa55 2020/07/05
  • 「日光水ようかん」食べ比べてみた - 週刊あんこ

    待ってました!と、裏声で掛け声をかけたくなる。 冷た~い水ようかんの美味しい季節である。 コロナで外出制限があるが、県またぎも明日解除される。 なので、前祝い。 福井や小城市など羊羹や水ようかんの町は全国にいくつかあるが、水ようかんのレベルや質を考えると、私のイチオシは日光である。 日光東照宮への参道をブラ歩きすると、水ようかんの古い看板が7~8軒ほど見えてくる。歴史的に見ても、一か所にこれだけのようかん屋さんが密集している場所は多分、ここだけだと思う。 片っ端からべ歩きしたいが、水ようかんは日持ちがせいぜい3~5日なので、そうもいかない。悲しいかな、予算もある。 なので、今回は中でも一番古い歴史をもつ「綿半(わたはん)」(創業天明7年=1787年、写真上)と人気上位の「鬼平(きびら)」(創業大正末、写真下)を買い求めて、自宅で賞味することにした。 究極の二択、と決め打ちした。「ひしや」

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    maxa55 2020/06/21
  • 秩父の「グレイトあんこ」5種 - 週刊あんこ

    コロナで外出自粛のはずが、スチール(盗塁)してしまった。 ひょっとして夢の中の出来事かもしれない(笑)。 埼玉・秩父の老舗和菓子屋「江原店」の白い暖簾をくぐる。 「大正11年創業」(1922年)の文字がさり気ない。 入った瞬間、自家製の生菓子がシンプルに並べられていて、いい店だとわかった。2年ほど前に建て替えたようで、平屋建てで新しい。 単なる和菓子屋ではない。製餡業も営んでいて、私がかつて感動した水ようかんもここのあんこを使っているようだ。 秩父地方の郷土まんじゅう「すまんじゅう」(つぶ、こし 税込み100円)、「茶まんじゅう」(同70円)、「草もち」(同100円)、「栗どら焼き」(同150円)を買い求め、3代目ご夫とご子息の4代目とあれこれ雑談しながら、その翌日、自宅で冷たい麦茶を用意して、賞味となった。 あんこ旅みょうりに尽きる。コロナもどこかに消えている。 まずは「すまんじゅう

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    maxa55 2020/06/15
  • 涼!金沢の「生麩まんじゅう」 - 週刊あんこ

    コロナと暑さでときどき「わあー」と叫びたくなる。 ゴジラ一歩手前状態(笑)。危ないアブナイ。 なので、今回取り上げるのは、頭を静めるのに適した涼やかな生菓子です。 まだ遠出できないので、お取り寄せ。 慶応元年(1965年)創業、加賀麩の老舗「不室屋(ふむろや)」の「生麩まんじゅう」がターゲットです。 オンラインで注文、自宅に届いたのは2日後。 実物を見ただけで、涼風が脳内を通り抜けていく。生菓子一つで世界が変わることだってある・・・まさか? 10ケ入り(税込み2376円)。クール便(冷凍)なので、送料がプラス1045円かかる。 すぐに冷蔵庫に入れ、約4時間かけて、ゆっくりと解凍する。 みずみずしいクマ笹で三角形に包まれていて、それをていねいに取ると、主役が現れた。 笹の香りとともに、うっすらと若草色の麩まんじゅうは、宝石のようにつややかで、しかもみずみずしい。清流から抜け出てきたような印象

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    maxa55 2020/06/07
  • 新型!五色のあんこ玉とテリーヌ - 週刊あんこ

    アベノマスクはいらない、ドラえもんのどこでもドアが欲しい! と喚いても始まらない。 コロナがなければ旅する予定だった岡山にも行けず、松山、松江もしばらくは虹の彼方。 なので、「新しいあんこ生活」に切り替え、お取り寄せにハマることにした。 目を付けたのがこれ。 おそらく、今、もっとも挑戦的なポジションにいる老舗の一つ、愛媛・松山市「石田製餡所」(創業大正13年)が始めた実験店「アン・パティスリー七日」(伊予市)の逸品を二つお取り寄せした。 「七日のひと口餡子」(左)と「餡とチョコのテリーヌ」(右)である。 あんこの最前線という意味で取り上げることにした。 「餡とチョコのテリーヌ」は物珍しさからテレビでも紹介され、あんこ好きを驚かせた逸品だが、「七日のひと口餡子(あんこ)」はデビューしたのが3か月ほど前でもっとも新しい。 店名の「七日」の意味は、「あんこが一番おいしい期間が七日間」から来ている

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    maxa55 2020/05/29
  • 赤福よりレア素朴「こしあんだんご」 - 週刊あんこ

    これはこしあん銀河系あんこ好きには、一目置きたくなる「おだんご」だと思う。 伊勢名物「赤福」とよく似ているが、赤福ほど有名ではない。 とにかく見ていただきたい。 折にぎっしり詰まったこのおだんご、というよりあんころ(?)を初めて見た時、心がざわめいた。 5年近く前、台風18号で鬼怒川が決壊した時、茨城・常総市が大きな被害を受けた。たまたまボランティアのはじっこで汗を流していた時、世話好きの町のおばさんが持ってきてくれたものがこれだった。 見た目は素朴な、あまりに素朴なあんころだったが、ひと口で一瞬にして疲労が吹っ飛んでしまった。疲れが美味さを倍増させたかもしれないが、こしあんと柔らかなの美味いこと。ホントにほっぺが落ちてしまった(心のほっぺだが)。 「春子屋のおだんごですよ」 おばさんから店名を聞き出し、とりあえずメモしておいたが、諸事情でその後訪ねる機会を失っていた。 コロナ禍の

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    maxa55 2020/05/24
  • コロナも退散?初夏の「麩まんじゅう」 - 週刊あんこ

    茨城、岐阜、愛知、石川、福岡の特定警戒5県の緊急事態解除が明らかになった。 リスクはあるが、まずはめでたい。 なので、久しぶりのあんこ旅。 今回ピックアップしたのは茨城・坂東市の老舗和菓子屋「創作和菓子 すずき」。 以前から目を付けていた店。創業百年ほど。現在4代目。 そこで見つけたのが「麩まんじゅう」(税込み 160円)だった。 あんこセンサーがビビビと反応した。 想像以上の上質で、みずみずしい笹に包まれた、ある種かぐや姫の予感・・・。 中のあんこは? 「創作和菓子」と銘打っているが、バラエティーに富んだ饅頭類や大福、それに人気ナンバーワンという「かりんとまん(かりんとう饅頭)」など、いずれも小ぶりだが、歴史と上生菓子の気配がある。しかもローカル価格。心惹かれたので、それらを買い求めて、約5時間後、自宅で一人品評会を開くことにした。 何よりも賞味期限が短い「麩(ふ)まんじゅう」から。 透

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    maxa55 2020/05/16
  • 「銚子VS西新井」対極の今川焼 - 週刊あんこ

    緊急事態が延長されたので、今回はたい焼きよりも今川焼、と渋~く行ってみたい。 今年の前半戦で、へえーと印象に残ったのが、あまりに対照的なこの二品。 上の写真が千葉・銚子でべた「さのや」の、野暮ったい、見ようによっては牢名主のような今川焼。チラ見しただけでひれ伏したくなる、そんな気がしませんか? 下の写真が東京・西新井大師「甘味 かどや」のきれいな今川焼。下町の小粋な、湯上り美女のような、そんな形容を付けたくなってしまった。 どちらも歴史のある今川焼で、皮もあんこも同じ今川焼とは思えないほど対照的。コアなファンが多いことが共通している。 まずは「さのや」の今川焼を賞味してみよう。 黒あんと白あんの2種類(それぞれ税込み150円=テイクアウト)あり、店内でべると3円高くなる。 2個くっ付けたくらいの武骨な高さと焦げ目のムラ。まだら模様。 驚きのごつごつした外観だが、油感のある皮の野暮ったさ

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    maxa55 2020/05/10
  • あやめだんごと3種のおはぎ - 週刊あんこ

    コロナで遠出できないので、とっておきの和菓子をご紹介したい。 尾張名古屋をあんこ旅していた時のこと。 串だんご好きの私に甘い情報が入った。 それが菓子屋「筒井松月(つついしょうげつ)」の「あやめだんご」だった。 ネットで調べる。正直に告白すると、それほど美味そうには見えなかった。 日暮里の羽二重団子や築地の茂助だんごなど、有名過ぎてコスパ的にはどうかな、というレベルではないか(個人的な辛口評価だが)。 私にとってこれまでべた串だんごの中でナンバーワンはかつて東京・築地にあった「福市だんご」(すでに廃業)だが、現存する中では北千住「槍かけだんご」、浅草「桃太郎」のあん団子がコスパも含めてさん然と輝いている。 期待は裏切られるためにある。 なので、過剰な期待をせずに、「筒井松月」へ。 昔からそこにある、セピア色の下町の菓子屋さんの地味な外観。 私的には好きな世界だが。 プラスティック製の

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    maxa55 2020/05/02
  • 熱海の奥座敷、ふしぎな羊羹2種 - 週刊あんこ

    あん子だってコロナが怖い。 だけど、負けない。 休業を余儀なくされている和菓子屋さんも多い。 今回取り上げるのは、熱海の老舗羊羹屋さん。 羊羹(ようかん)の名店として、知る人ぞ知る「家ときわぎ」。 創業が大正7年(1918年)、現在4代目。煉羊羹以下6種類の羊羹のレベルは高い。わらびやうぐいすなど生菓子も人気で、すぐに売り切れる。 「千と千尋の神隠し」の舞台のような宮造りの古い店舗にまず圧倒される。 コロナが猛威を振るう前に訪ねたが、ここで見つけたのが、屋号をそのまま使った「常盤木(ときわぎ)」(6入り 税込み600円)だった。 スティック状にした羊羹だが、わざと自然乾燥させていて、そのために表面が白く糖化している。 これがたまらない。 あの「羊羹の町」佐賀・小城市の「むかし羊羹」を思わせる珍品で、昔ながらの煉り羊羹のDNAを感じさせるもの、だと思う。 4代目のアイデアのようで、

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    maxa55 2020/04/25
  • 緊急登場「きんつば西の横綱」 - 週刊あんこ

    緊急事態宣言から今日で8日目。考え方を変えて、自粛=引きこもり生活をそれなりに楽しむことにした。 その一つ。 ズバリ、あんこに浸る。 あんこの女神(勝手にそう呼んでいる)杏ちゃんの動画を見て、心が洗われる。加川良の「教訓1 命を捨てないように」を選んで生ギターで歌うなんて、この子、やっぱり只者ではない。画面左手には絵を見る3歳の娘さんの後ろ姿。 あんこの天使、かもしれない。 今回は緊急事態特別編。ほっこり気分のまま、きんつば界のほっこりを取り上げることにしよう。 私的には東の横綱が浅草「徳太楼(とくたろう)」なら、西の横綱は大阪の「出入り橋きんつば屋」である。その北浜店。 それがこれ。手のいい匂いのする絶妙きんつば、だと思う。 一皿3個で、360円(税込み)なり。イートインでべる。 とにかく焼き色がすごい。まだら焼き。皮のもっちり感にホーッ、となる。徳太楼の乳白色のきれいなきんつばとは

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    maxa55 2020/04/17
  • どら焼き天国の限定「桜どら」 - 週刊あんこ

    コロナで移動が制限されると、ドラえもんの顔が頭に浮かび、どら焼きを無性にべたくなった。 どうしたわけか、聖シムラけんの残像も重なる。 どこでもドアがあったら、日橋うさぎや、人形町清寿軒、浅草亀十、池袋すずめや、東十条草月、霊岸島梅花亭・・・私がこれまでべたどら焼きの横綱・大関クラスの名店にすぐにでも飛んでいきたい。 ローカルにも味わい深いどら焼きを作り続けている店が多い。 どら焼きは不要不急を超えている。 ラーメンの町、栃木・佐野で見つけたのが、バラエティーに富んだどら焼きを売りにしている「金禄(きんろく)」である。 浅沼店と堀米店があるが、今回訪ねたのは浅沼店。 個人的などら焼き番付東日編では、関脇クラスに位置するが、ここの凄いのは7種類ものどら焼きを作っていること。 「栗どら」(税込み238円)が一番人気だが、春限定(4月いっぱい)の「桜どら焼き」(同 173円)にあんこセンサ

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    maxa55 2020/04/11
  • 奇跡のこしあん、「豆福」の驚き - 週刊あんこ

    コロナにもめげず。 今年出会ったなかで、「これは凄いなあ」と脱帽したのが、ローカル都市・桐生市の老舗和菓子屋さん「御菓子司 あら木」のこしあん。創業が明治31年(1898年)。 小ぶりの豆大福「豆福」の中に隠れていた。 あんこのかぐや姫。 と言いたくなるほど。桐生なので織姫かもしれないが(笑)。 光が通り抜けそうなほど青紫色がかった自家製こしあんで、上質のとキリリとした赤えんどう豆とのバランスも絶妙だった。 ここにもスゴ腕の和菓子職人がいる。ついうれしくなる。 驚かされるのはその舌代。1個130円(税別)。豆大福の名店は数あるが、質的にもコスパ的にもここはトップクラスのレベルだと思う。 桐生はかつて「西の西陣、東の桐生」とうたわれたほどの織物の町でもある。 過日の賑わいはないが、歴史のある街なので、和菓子屋も多い。 最初はさほど期待せずに、ふらりと暖簾をくぐった。 「豆福」の他にもいちご

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    maxa55 2020/04/04
  • 信長の影、熱田神宮の上生菓子 - 週刊あんこ

    NHK大河ドラマ「麒麟がくる」で染谷将太演じる織田信長が予想に反して、いい。登場するまでは完全にミスキャストだと思っていたが、次の瞬間何をするかわからない、スリリングな雰囲気をよく出している。人も役者も見かけによらぬもの、と改めて反省する。 その信長ゆかりの熱田神宮で、意外なあんこに出会った。 蔵造りのきよめ家で、有名なきよめを買い求め、その足で神宮駅前にある喫茶部「喜与女茶寮(きよめさりょう)」へ。あわよくば、コーヒーでも飲みながら、ここで賞味しようと思った。 ふとメニューを見ると、「抹茶セット(生菓子1個付き 税込み570円)が目に飛び込んできた。 この「飛び込む」という感覚は信長的だと思う(ホントかよ)。 手書きの生菓子は6種類あり、その中で今年の干支(えと)にちなんだ「干支 子(ね)」を選んだ。 丹波大納言小豆の艶やかな粒あんを上質の羽二重で包んだ上生菓子で、奥ゆかしいふ

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    maxa55 2020/03/29
  • 京都って深い、亀末廣「古の花」 - 週刊あんこ

    私にとって、京都・和菓子界の頂点の一つが烏丸御池にある「御菓子司 亀末廣(かめすえひろ)」である。 創業が文化元年(1804年)で、虎屋や川端道喜よりは歴史が浅い(恐るべし京都!)が、いい意味でとんでもないポリシーを長年守っている。 「デパートからの出店依頼を断り続けてるんや。ほんま日でも希少な店の一つで、通販もしておまへん。江戸時代からの対面販売をずーっと守っているのがそんじょそこらの和菓子屋とは違います。京都の中でも物の一つや」 8年ほど前のこと。口の悪い京都人の畏友が、珍しくそう語った。 その足で、タイムスリップしたような土蔵造りの店を訪ね、真竹入り「大納言」を買った。確か一つ400円以上していた(高いなあ、と思ったが)。丹波大納言小豆をじっくりと蜜煮しただけの、あまりにシンプルな、あまりに濃密な味わいに心がざわめいた。 今回はそれ以来の訪問。つまり8年ぶりの訪問となる。 「亀末

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    maxa55 2020/03/20
  • 参道の神の手「草だんご」 - 週刊あんこ

    「草だんご」と言えば、関東では寅さんの柴又があまりに有名だが、世の中は広い。あんこの世界も広い。視点を変えれば、宇宙より広い・・・かもしれない。 柴又帝釈天や西新井大師の草だんごはつぶあんを別盛にしているが、ここのは一個一個こしあんで丁寧に包んであった。地味だが、志が高いと思う。 そのこしあんのみずみずしいこと。上質のしっとり感。舌触りが心地よい。 水飴も加えているのか、少しねっとりとしていて、北海道産えりも小豆のきれいな風味と抑えられた甘み(上白糖使用)が、観光地とは思えない美味さだった。意外な出会いとしか言いようがない。 ほんのりと塩気も効いていて、「いい塩梅」の文字が隠れている。それがヨモギ(上新粉使用)の柔らかな感触とよく合っていた。 きなこの美味さも付け加えておきたい。 私が追い求める1+1=3の世界で、奈良・葛城市にある「中将(よもぎ)」と比較したくなったほど。 あっ、い

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    maxa55 2020/03/17
  • 出会い系?道明寺と白玉栗餅と - 週刊あんこ

    あんこ旅の途中でへえ~と唸ったのがこれ。あんこの出会い系。 「水郷の小江戸」千葉・佐原でのこと。伊能忠敬旧宅を出てから古い街並みをブラ歩くと、タイムスリップしたような、古い建物が見え、「植田屋荒物店」の屋号。現在8代目という江戸中期創業の雑貨屋さんで、その女将さんが和菓子好きだった。 「あら、地味だけどいい和菓子屋さんがあるわよ」 と教えてくれたのが「おざわ菓子店」だった。 お礼に小皿を買い、期待半分で5分ほど歩くと、シンプルな和づくりの小さな店が見えた。白い暖簾がひっそりと、伏し目がちに流し目をくれた気がした。いちご大福のノボリが風で揺れていた。いいネ。 午後1時過ぎだったが、いちご大福はすでに売り切れで、棚に並ぶ和菓子は上生菓子も多い。どら焼き、わらびも見える。種類は10種類ほど。手作りにこだわった少量生産の和菓子屋さんだとすぐにわかった。 期待半分が期待八分にふくらんだ。 迷った末

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    maxa55 2020/03/13