地上デジタル放送への移行でアナログテレビの電波塔としての役割を終えた名古屋テレビ塔(名古屋市中区、高さ180メートル)が2012年4月から名古屋、東京、大阪などで始まる携帯端末向けの新しいマルチメディア放送サービスの送信所として再スタートすることが30日分かった。 名古屋のシンボルとして、市民に親しまれてきたテレビ塔は、7月の地デジ移行で、アナログ放送機器の設置料などの収入を失ったうえ、耐震改修に必要な15億円の調達のめどが立たず、存続の危機に直面している。 携帯端末向けの新しいテレビ放送ともいえる新サービスの送信施設設置に伴う収入は非公表だが、名古屋テレビ塔会社の若山宏常務は「(テレビ塔)本来の役割を再び果たせる」と胸をなで下ろしている。