大蝦夷農業高校、通称「エゾノー」を舞台にした、荒川弘先生の青春マンガ「銀の匙 Silver Spoon」。この作品に出てくる食べ物の数々に、ずっと憧れていました。 重労働のあとにかっこむ、とれたての卵を使った卵かけごはん。 小麦、チーズ、ベーコン、石窯にいたるまですべて手作りの「うまくて笑いしか出てこない」窯焼きピザ。 強烈に破壊力のあるマンガ飯ですが、いずれも主人公の八軒勇吾をはじめとする登場人物が「自分の手で苦労して食材を作る」背景があってこそのおいしさです。スーパーで買った既製品で再現しても「なんか違う」と満足できないのは、目に見えています。 庭がなく、ベランダで七輪ひとつ使えない、世知辛い集合住宅住まいには、大地に根を張るエゾノーグルメを疑似体験するなんて、夢のまた夢なのでしょうか……。 いや、あきらめない。 「銀の匙 Silver Spoon」に登場するラクレットオーブンでチーズ