脊髄損傷などの治療にヒントを与えるタンパク質が見つかった。細胞骨格を制御するタンパク質のCRMP4を抑制すれば、神経再生を阻害するいくつかの因子を広くブロックできることを、早稲田大学理工学術院の大島登志男(おおしま としお)教授、大学院生の長井淳(ながい じゅん)日本学術振興会特別研究員らが突き止めた。神経の再生を阻害する反応を一挙に制御する分子で、脊髄損傷などの治療法開発の標的になりそうだ。横浜市立大学医学部の五嶋良郎(ごしま よしお)教授らとの共同研究で、2月5日付の米オンライン科学誌サイエンティフィックリポーツに発表した。 研究グループは、細胞骨格を制御するタンパク質として知られているCRMP4に着目した。細胞骨格は神経再生に対するすべての阻害反応に関与するため、「CRMP4を抑制すれば、神経再生を阻害するいくつかの因子を同等にブロックすることになる」という仮説を立てた。まず、CRM