今国会の最優先課題は何か。言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込め、収入減や失業など深刻な事態に陥った人々への支援の道筋を付けることだ。国民全体が不要不急の外出を控えるよう求められる中で、この法案こそ、まさに「不要不急」ではないか。 衆院で審議入りした検察庁法改正案のことだ。現行法が63歳と定める検察官の定年を段階的に65歳へ引き上げる。現行法は検事総長の定年のみ65歳だ。 政府は、国家公務員の定年を60歳から65歳へ段階的に引き上げる国家公務員法改正案の今国会成立を目指している。検察庁法改正案はその関連法案として一括され、いわゆる「束ね法案」として国会へ提出された。 最大の問題は、63歳以上は高検検事長や地検検事正といった幹部職に就けない「役職定年」を導入する一方、内閣や法相が「職務遂行上の特別の事情」などで「公務の運営に著しい支障が生ずる」と認めれば、例外的に延長することも