今回は、巨大な建造物を支える鉄骨にまつわるデジタル活用(デジカツ)の話である。しかも焦点は鉄骨に開ける無数の「穴」だ。 建築全体から見れば、非常に小さなトピックに思える。だがこの領域で大手ゼネコンのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)推進者が企業の垣根を越えて協力し合い、一緒に課題を解決しようとしている。建設業界において、今後の問題解決のモデルケースになる可能性を秘めた試みを紹介したい。 東京五輪・パラリンピックの開催を約半年後に控えた今、あちこちで大型ビルの開業が相次いでいる。その多くで内部に鉄骨が利用されている。 高層ビルには我々の目には見えないところで、大量の「鉄骨梁」が使われている。それは言われてみれば、誰でも何となく想像できると思う。ただ、鉄骨梁には最近、大量の穴(貫通孔)が開いていることに気付いている一般人は、私を含めて少ないに違いない。 貫通孔がある鉄骨梁を
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