野中 「連携について二人とも言われた。診療所が大きくなって病院になったから分化がなく連携が進まないというのは確かにその通りだと思う。もう一つ連携が進まない理由は、連携という言葉が医療機関のために使われているからでないか。地域住民に適切な医療を提供するために連携するんだということについて議論が足りないと思う。外国ではどういう形から連携が構築されているのか教えていただきたい」 尾身 「北欧で連携がうまくいっていると言われることが多い。それは看護師も含めて、タスクシェアリングが進んでいるからと思う。日本はシステムが硬い。注射ひとつ例にしても役割が流動的になっていない。合理主義では、やるべきこととやらなくてもよいことがハッキリ分かれる。 根源まで遡ると、医療体制を誰が作るのかということになる。それがデモクラシーの歴史の長さに由来するんだろうが、住民が保険料を払っている以上、そのニーズから発想するの