審査区分導入の余波 2018年度(平成30年度)科研費(2017年秋の申請)から、審査のための領域の分け方が変更されました。それまでお馴染みだった「細目」がなくなり、「小区分」という呼び名に代わり、分け方や大きさも変わりました。 平成 30 年度助成(平成 29 年9月公募予定)からの審査は、「小区分・中区分・大区分」で構成される新しい審査区分で行う。それに伴い、現行の「系・分野・分科・細目表」は廃止し、新しく「審査区分表」を設定する。(科研費審査システム改革2018) 基盤(C)は小区分の中での相対評価となり、小区分の数は細目数の7割程度なので、やや分野が広がった程度といえます。それに対して、基盤(A)は中区分、基盤(S)にいたっては大区分という、かなり大雑把なわけ方の中での審査となります。 審査区分表(大区分、中区分、小区分)(JSPSのサイト) このため、狭い研究分野でしっかりとした
話題の中国SF、ファーストコンタクトものなのだけど、三部作の第一作目だけあって、まさに「俺たちの戦いはこれからだ」ってところで終わる。 前情報で、文革の話もあればVRゲームも出てくると聞いていて、さらには短編「円」も組み込まれているというので、一体どんななってる作品なんだと思ってたけど、なるほどどの要素もちゃんと収まっていた。 なお、タイトルは三体問題からとられている。作中に、「三体」というVRゲームがでてくるのだが、そのゲームで再現されている世界というのが実は……という話になっている。 読みやすいし、面白いし、スケールもでかいし、明らかに良い作品ではあるのが、上述したようにまだ全然話の途中であることは注意されたい。 三体 作者: 劉慈欣,立原透耶,大森望,光吉さくら,ワンチャイ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/07/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 主人公は
どちらがついでか分かりませんが、IFLAの大会でアテネに来ています。 今日は、標記のタイトルのセッションを聞いてきました。 あとは、同志社・司書課程の学部生が佐藤翔先生の代わりに⁉︎来られているポスター発表の見学に。 書架に管理用の番号を大きく付けている図書館をVR上に再現して(そのためのハード、ソフトを購入した上で)、利用者の視線?を実験しているようでした。 分かりやすい表現については私もうるさいので、研究云々としてする前に、分かりやすい表現のことを考えてほしいと、参考文献を紹介したり(カラー・ユニバーサル・デザインのことは言い忘れた)。 さらには、利用者の行動として、書架の管理番号をどれくらい見てるかとか、業務上でその管理番号を案内にどれくらい使っているか調べた方が、この実験の意義にも影響するのではとか、偉そうなことを言ったり… さて、標記のセッションは、ディベイト形式になるのかと思い
質的研究, 混合研究法, NVivo/MAXQDAの使い方、関連論文・書籍紹介など。文献やインタビュー、アンケートの自由回答、観察データ、動画、画像などの定性データを分析し、看護学や教育学・社会学・経営学等の研究や、政策等の評価、市場調査や人的資源管理など。
このエディターズノートはいつも月初に書くことにしているのだが、今月はあまりにも考えなくてはならないことが多すぎて、一週間以上もずれ込んでしまった。 先週はあいちトリエンナーレ2019を見るため、名古屋市と豊田市を駆け足でまわってきた。参加作家の一人である「表現の不自由展・その後」の展示内容に対する批判や抗議、さらには展示続行を困難にさせる職員等への脅迫的言辞もあり、わずか開催3日で同展が中止に追い込まれた経緯は、報道などを通じてご存知のとおりである。 「表現の不自由展・その後」という企画展のタイトルに「表現の自由」という言葉が含まれていたこともあり、展示中止の経緯は「表現の自由」をめぐる議論を喚起した。この言葉には多様なニュアンスが含まれるが、第一義に意味するのは日本国憲法第21条で保証されている、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現」の自由であろう。これらに対しては、事前であろうと
By NomadSoul1 「デート」は若者の社交スキルを磨き、感情的に成長するための機会にもなると考えられています。しかし、「中学・高校時代に恋愛関係を持たなかった学生のほうが社会技能・リーダーシップの面で優れており、さらには鬱にもなりにくい」という調査結果をアメリカのジョージア大学の健康増進・健康行動学部の研究チームが報告しています。 Social Misfit or Normal Development? Students Who Do Not Date - Douglas - 2019 - Journal of School Health - Wiley Online Library https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/josh.12818 Teens who don’t date are less depressed h
編集後記の効用 ここ20年ばかり流行りの雑誌研究。理由は紙メディア広告費が終焉して商業雑誌が成り立たなくなり、雑誌自体が終焉を迎えつつあるからであるが、それはともかく。 雑誌研究をするさいよく使われるのは創刊号の巻頭言、創刊の辞というやつ。その雑誌がなぜ生まれたかが書かれれていることが多いから。一方で、雑誌は「生き物」とされ、例えばアニメ雑誌とされる『OUT』が最初、サブカル一般誌だったことは有名である。つまり、雑誌は途中で違う雑誌になってしまうことも多いので、その後のその雑誌のことを知る、という意味では編集後記を通覧する、という方法が使えるのである。雑誌史は雑誌本体を全部見るのが一番よいが、効率的にやるには編集後記を通覧するのも手なのである。 ということで、特定雑誌研究をやるにはその雑誌の編集後記を見ることになるのだが、じつは特定だけでなく当時の出版物研究にも使える例があるのでここでご紹
前回のエントリに書いたタコスのドキュメンタリの「強い個人」への崇敬の気もち。柚木弥太郎さんが,米国ニューメキシコ州のサンタフェで還暦のころに訪れたInternational Fork Art Museumで見た心に"語りかけてくる"人形や,インドで出会った"いきいきとしたエネルギー"が表れている"目をキラキラさせ"た人たちから得たものを語った以下に先日出会って,畏れ多くもなんだか似たような感動な気がして,やっぱりそうだよなあ!と改めて。 私はこの旅に出るまで,自分の仕事について行き詰まりを感じていた。染色の仕事をやめようかと迷っていた。ちょうど年齢は還暦の頃である。このまま染色を続ければ,あとはマンネリになり,自己模倣の繰り返しになるばかりだと。 そんな時,サンタフェに来て気づいた。「何をやってもいいんだ,やるなら嬉しくなくちゃ,つまらない」と。自らの呪縛から解放された瞬間だった。 (柚木
BOOKSELLERは、9月11日、"Resale of e-books 'unlawful' under EU law, suggests Szpunar"という記事を掲載した。 本記事は欧州連合司法裁判所(Court of Justice of the European Union、CJEU)の法務官が、電子書籍の中古販売・転売は違法であるという見解を示したことを紹介している。 本見解はオランダのハーグ地方裁判所における予備判決(オランダ出版社協会 対 Tom Kabinet社)の要求によるもので、電子書籍には著作権消尽(exhaustion)が適用されないという考えに基づいている。法務官の見解に何ら拘束力はないが、最終的に同様な判決が下されることが多いという。 出版関係者は、電子時代の出版者や著者の権利を守り、新しいビジネスモデルを開拓するものとして歓迎している。 [ニュースソース]
米国生理学会 (American Physiological Society、APS)は、9月5日、同会発行のジャーナルに様式自由での投稿を可能とする論文投稿ポリシー"FlexSubmit"を導入したと発表した。 本ポリシーは、APSの出版スタイルに合わせるといった論文投稿の初期段階における技術的要件を削除したもの。 これは科学的な価値などを優先的に検証するためで、著者情報、抄録、タイトル、図表、データや参照文献へのリンクなどの情報があれば、技術的要件を満たさずとも、査読されるという。 [ニュースソース] New FlexSubmit policy allows authors a quick and easy way to upload manuscripts ― APS 2019/09/05 (accessed 2019-09-12) Manuscript Formatting Re
IP社(Information Power)は、9月5日、OA出版サービスおよびその費用の透明性向上のための枠組み構築プロジェクトを開始すると発表した。 本プロジェクトは、cOAlitionを代表するWellcome、UKRI(UK Research and Innovation)が主導するもので、出版社、助成機関、大学らと枠組みの構築を目指す。 IP社は、9~12月の本プロジェクトを通して、ステークホルダーと意見交換を行い懸念事項やニーズの理解、論文掲載料(APC)または移行合意(transformative arrangement)によって得られるサービスの類型化、価格設定の透明性向上、維持・監視方法の提供に努めるとしている。 [ニュースソース] Towards a framework to enable more transparent communication of Open A
IP社(Information Power)は、9月12日、Wellcome、UKRI(UK Research and Innovation)、ALPSP(Association of Learned and Professional Society Publishers、学協会出版者協会)が主導する"Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)"プロジェクトの最終レポートを公開した。 本レポートは、学協会がPlan Sの要件を満たしうるモデルの特定およびその評価結果をまとめたもので、以上の結果に基づいた、学協会、出版社およびその他のステークホルダーらへの推奨事項も示している。 Society Publishers Accelerating Open Access and Plan S - Final P
2019年10月21日、科学技術振興機構(JST)と国際STM出版社協会(STM)日本支部の主催により、東京都千代田区のJST東京本部別館において、第2回J-STAGEセミナー 「国際動向への対応:出版倫理」(JST-STMジョイントセミナー 「学術出版における変革:研究公正と出版倫理」)が開催されます。 同セミナーでは、J-STAGE利用機関やジャーナル出版に関心の高い、研究助成機関、研究者、行政の関係者等を対象に、研究公正・出版倫理に関するさまざまなトピックスの講演が行われます。 午前のセッションはSTMが主催し、学術出版において需要が高まっている、高水準で透明性の高い倫理規範に関する問題が取り上げられます。午後のセッションはJSTが主催し、出版倫理に焦点を当て関係団体から最新動向やそれぞれの団体のミッション・戦略・取り組み等が取り上げられます。 参加無料ですが事前申込が必要です。また
英・電子情報保存連合(DPC)の2019年9月2日、13日付けのブログ記事において、テキストファイルのファイルフォーマット識別に関する英国国立公文書館(TNA)の研究プロジェクト“Text File Format Identification”が紹介されています。筆者はTNAの研究員であるSanthilata Kuppili Venkata氏です。 プログラムのソースコード、データ記述ファイル(XML等)、構成ファイル等を含め、デジタル保存の対象となりうるテキストファイルの種類は多岐に及びますが、ファイルの拡張子に誤りや欠落があった場合、ファイルの利用に困難が生じるという問題があります。 この研究プロジェクトでは、拡張子ではなくテキストファイル内部の記述内容に見られる特徴に基づいて、機械的にファイルフォーマットを識別できるようにすることを目指しています。記事中では、識別プログラムのプロトタ
大阪府の高槻市立図書館が、2019年10月、「出張図書館~図書館が公民館・支所にやってくる!」を実施します。 同館の実施している「まちごと図書館」事業では、図書館やインターネット等で予約した図書館の本を市立公民館6館と樫田支所で受け取ることができますが、今回、市民の利用を促進するため、同館の司書が公民館や樫田支所を訪問し、貸出券の発行や読書相談などを行うものです。 出張図書館~図書館が公民館・支所にやってくる!(高槻市,2019/9/19) http://www.city.takatsuki.osaka.jp/kakuka/kyoiku/chuotoshokan/oshirase/1506557160388.html 「まちごと図書館」事業の利用案内(高槻市立図書館) https://www.library.city.takatsuki.osaka.jp/guide_13.html 参考:
2019年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.80, no.6に、米国マサチューセッツ州・シモンズ大学のKyong Eun Oh氏とノース・カロライナ州・イースト・キャロライナ大学のMónica Colón-Aguirre氏の共著による論文“A Comparative Study of Perceptions and Use of Google Scholar and Academic Library Discovery Systems”が掲載されています。 同論文は、大学所属者の学術情報検索ツールとして一般的なGoogle Scholarと所属大学の図書館がウェブサイト上で提供する検索システムについて、利用方法、利用する理由、それぞれのツールへの認識をオンラインアンケートの結果に
ギリシャ・アテネで開催された第85回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会のサテライトミーティングとして、2019年8月21日から23日にかけて、同国サモス島のピタゴリオで開催されたサテライトミーティングの発表資料として、ノルウェーのオスロ・メトロポリタン大学アーカイブズ学・図書館情報学科のElin Golten氏による“Public Libraries as Place and Space – New Services, New Visibility”と題する文献が公開されています。 公共図書館は独立した空間(arena)として、市民の会話と討論の場となることを明記したノルウェーの2014年の図書館法改正に関連し、そのことが、場所としての図書館の正当性を再確認することになるか、また、デジタル時代の図書館を発展させる可能性をもたらすかを検討したものです。 デジタ
2019年9月18日、大阪府の八尾市立志紀図書館が、マスコットキャラクター「しきにゃん」のLINEスタンプの販売を開始しました。 志紀図書館マスコットキャラクター「しきにゃん」LINEスタンプ販売開始(八尾市,2019/9/18) https://www.city.yao.osaka.jp/0000048076.html 八尾市立志紀図書館しきにゃん(LINEストア) https://store.line.me/stickershop/product/9009864 参考: 平塚市図書館(神奈川県)、図書館設置70周年記念キャラクター「ぶくまる」のLINEスタンプの販売開始:売上金の35%が図書購入費に Posted 2018年8月22日 http://current.ndl.go.jp/node/36519 神戸大学附属図書館、マスコットキャラクター「うりこ」のLINEスタンプの販売を開
2019年9月18日、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)によるLibrary of the Year 2019(LoY2019)の優秀賞とライブラリアンシップ賞の受賞機関が発表されました。 各賞の受賞機関は以下の通りです。 ・ライブラリアンシップ賞 埼玉県高校図書館フェスティバル実行委員会 ビジネス支援図書館推進協議会とその実践者 ・LoY2019優秀賞 札幌市図書・情報館 恩納村文化情報センター(沖縄県) 県立長野図書館 京都府立久美浜高等学校図書館 各機関の対象事業名と授賞理由は9月下旬ごろにIRIのウェブサイトで発表される予定です。また、大賞およびオーディエンス賞は、11月13日に第21回図書館総合展内で開催予定のLibrary of the Year2019最終選考会において決定されます。 LoY2019 二次選考結果発表!(IRI, 2019/9/18) https://
台湾の聯合新聞網による2019年9月11日付けの記事で、台湾・新竹市が進めている市立図書館の新しい総本館の建設計画が紹介されています。 日本の平田晃久建築設計事務所と、台湾の郭旭原聯合建築師事務所の合同チームによる設計であり、新竹市の林智堅市長は任期内(現任期は2022年12月まで)の完成を目指すとしています。 設計コンセプトは「知識の峡谷」とあり、広い通路の両側に書架の壁が設けられること、天窓から自然光を取り入れる仕組みとなっていること、良好な通風環境を保つ工夫がなされていることが特徴として取り上げられています。 台日團隊打造竹市新總圖 「知識峽谷」引入風與光影(聯合新聞網, 2019/9/11) https://udn.com/news/story/7324/4041783 ※同館の完成予想図が掲載されています。 台日團隊攜手打造竹市新總圖 「知識峽谷」引入風與光影將成文化新地景(新竹
カレントアウェアネス・ポータルは、図書館界、図書館情報学に関する最新の情報をお知らせする、国立国会図書館のサイトです。 2019年9月16日、スウェーデン王立図書館(NLS)は、オープンアクセス(OA)に関する教育用動画をウェブサイト上で公開したことを発表しました。 公開された動画は研究者や大学院生、大学図書館員等へ学術出版システムにおけるOAの基礎的な知識を提供するものです。動画はNLSの職員や国内の研究者・大学図書館員等へのインタビュー、オープンサイエンスの展開等近年の動向も含めたOA運動の背景にある学術出版システムの歴史、スウェーデンのOAに対する取り組みと現況等の内容で構成され、合計再生時間は約40分程度です。 動画はNLSのウェブサイトへメールアドレス等を登録すれば視聴可能です。またスウェーデン語音声の流れる部分には英語字幕を表示させることができます。 Educational v
2019年9月11日、Times Higher Education社(THE)が、世界大学ランキング2020を公開しました。 1位は4年連続で英・オックスフォード大学、2位は前年5位の米・カリフォルニア工科大学です。3位から5位は前年から1つずつ順位を落とし、英・ケンブリッジ大学、米・スタンフォード大学、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)と続いています。 THE社の記事では、上位200位以内に入った英国の28大学のうち18大学が前年より順位を落としているなど、英国の大学の順位が全体として下降傾向にあり、2016年以降の5年間の傾向で見ても同様であることが挙げられています。一方、ドイツ・中国・オーストラリアの大学が5年間で上位200位以内に入る大学数を増加させていることが指摘されています。 THE World University Rankings 2020: results annou
2019年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.80, no.6に、米・オハイオ州のボーリング・グリーン州立大学 (Bowling Green State University:BGSU)図書館で電子リソースを担当する大学図書館員であるAmy Fry氏による論文“Ebook Rate of Use in OhioLINK: A Ten-Year Study of Local and Consortial Use of Publisher Packages in Ohio”が掲載されています。 同論文は、90以上の機関が加盟する米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINKがコンソーシアム購入したSpringer、Wiley、及びOxfordの電子書籍パッケージについて、COUN
論文校正・校閲サービス等を手掛けるEnagoが、AIを用いて投稿原稿を評価し、編集も自動で行う出版者向けサービス”AuthoreONE”の提供を開始すると発表しました。 同サービスはAPIを用いて編集システムに組み込む等、出版者自身のWebページや現在使用しているシステムに組み込むことが可能とのことです。原稿評価サービスについては当面、無料で提供するとされています。 Enago Launches AuthorONE - An AI-powered Manuscript Assessment And Automated Copy-editing Solution For Publishers(Enago、2019/9/11付け) https://www.enago.com/news/enago-launches-authorone 参考: AIを利用して論文の要約を自動生成するサービス“Pa
2019年10月19日、首都大学東京秋葉原サテライトキャンパスにおいて、日本学術会議社会学委員会社会統計調査アーカイヴ分科会主催の公開シンポジウム「社会調査のオープンサイエンス化へ向けての課題」が開催されます。 開催案内によれば、同シンポジウムではオープンサイエンスを大きなテーマとして、日本および諸外国のデータアーカイヴの現状と課題、ビッグデータの取得と共有、官庁統計、個人情報保護とデータ利用の法的整備について、社会統計調査アーカイヴ分科会の議論の成果を、一般市民向けに発信するとのことです。 参加費は無料で、事前申し込みは不要です。 公開シンポジウム 「社会調査のオープンサイエンス化へ向けての課題」(日本学術会議) http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/280-s-1019.pdf
2019年10月12日、愛知県名古屋市のウインクあいちにおいて、公益財団法人生協総合研究所主催の公開研究会「大学生の読書を考える」が開催されます。 生協総合研究所は『生活協同組合研究』2018年5月号で大学生の読書問題を取り上げ、2018年11月の公開研究会でも大学生の読書問題を扱いました。今回の研究会では引き続き大学生の読書に関し、学生の自立・成長との関係にとどまらず、大学の教育・研究の動向、「知」の状況などの関わり、大学生協の役割について、議論を深めていくことを目的とするとのことです。 当日は京都大学名誉教授・横田冬彦氏による講演「江戸時代の読者―本を読むとはどういうことか―」のほか、「大学生の読書を考える研究会」委員による研究報告、参加者からの実践報告・討論などが行われるとのことです。 参加には事前申し込みが必要で、参加費は生協総合研究所会員は無料、一般は1,000円です。 【10/
2019年10月12日、東京都千代田区の都市センターホテルにおいて、科学研究費基盤研究(A)「仏教学デジタル知識基盤の継承と発展」の基盤構築班主催によるシンポジウム「デジタル知識基盤におけるパブリックドメイン資料の利用条件をめぐって」が開催されます。 近年、文化資料をデジタル公開するにあたって、著作権保護期間満了(著作権切れ)の資料のデジタル画像の利用条件について、利用実績取得等を目的として「CC BY」相当の条件、RightsStatements.orgの「No Copyright – Contractual Restrictions」の採用など、独自の工夫を行う機関が現れています。しかし、デジタルアーカイブの有機的なデータ連携を目指す取り組みにおいて、利用条件はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス等の共通ライセンス表示を機械的に取得されるものとして展開されており、独自の取り組みを講じる
2019年9月13日、ドイツデジタル図書館(DDB)はシステム更新により約3,000万件のレコードが検索可能になったことを発表しました。 2019年の春に、DDBは2014年以来運用しているデジタルネットワーク基盤の大幅改良を実施しました。DDBのベースシステムについて全く新しい基盤が開発された結果、従来は最低2か月を要していた1,000万件規模のレコード投入が2日で実施可能になるなど、短期間で大量のデータ更新・作成が可能になっています。 現在DDBで検索可能な約3,000万件のレコードのうち、1,000万件以上のレコードについてDDBのウェブサイトでデジタル化された複製物の利用が可能です。 Deutsche Digitale Bibliothek (DDB): 30 Millionen Objekte aus Kultur- und Wissenseinrichtungen jetzt
全国の図書館で太宰治資料展:五所川原市立図書館による企画 五所川原市立図書館・須藤紀子(すとうのりこ) 五所川原市立図書館(青森県)では,全国の図書館と連携して太宰治資料展を開催した。本稿では実施の背景や経緯,実施内容,評価や今後の展望について報告する。 ●企画の背景 当市出身の作家太宰治は,2019年6月19日に生誕110年を迎えた。これを記念し,また,当市及び県の西北地域周辺の観光客増加につなげるため,そして,情報発信等の取り組みにより地域振興に寄与することを目的として,2018年6月に県,市,市の太宰治関連施設で「太宰治生誕110年誘客促進実行委員会」が組織された。当館も実行委員会の下部組織に位置付けられ企画を考えることになった。これは図書館の機能や太宰治資料を知ってもらうチャンスだと思った。 ●経緯・コンセプト 2018年11月,国立教育政策研究所主催の「図書館司書専門講座」で筆者
2019年米国図書館協会(ALA)年次大会<報告> 九州大学附属図書館・渡邊由紀子(わたなべゆきこ),石田栄美(いしたえみ) 2019年6月20日から6月25日にかけて,米国ワシントンD.C.で2019年米国図書館協会(ALA)年次大会(E2054ほか参照)が開催され,2万1,400人を超える図書館員や出展者等が参加した。巨大なメイン会場のウォルター・E・ワシントンコンベンションセンターの他に市内のホテル等も会場となり,各地を結ぶシャトルバスが行き交った。筆者らは,科学技術振興機構(JST)のAIP加速課題に採択された「持続可能な学習者主体型教育を実現する学習分析基盤の構築」の支援を受け,大学図書館の学習支援に関する動向調査の一環として,同大会に参加した。以下,大会の概要を大学図書館に関するセッションを中心に報告する。 開会式には3,000人以上が出席し,会場に入りきれなかった人達は別室で
米・アイビー・プラス図書館連合のQueer Japan Web Archive イェール大学東アジア図書館・中村治子(なかむらはるこ) 2019年5月,米国の13の大学図書館で構成されるアイビー・プラス図書館連合(Ivy Plus Libraries Confederation;以下「Ivy Plus」)は,日本の性的マイノリティ(以下「LGBTQ」)に関するウェブサイトを収集保存するプロジェクト,Queer Japan Web Archive(以下「QJWA」)を発足させた。 日本における同性愛は,LGBTQのためのコミュニティ,バー,クラブなどの長い歴史がある。最近はLGBTQの知名度が上がりつつあるが,政治的活動や個人との交流,情報交換の機会などは非常に限られている。LGBTQのコミュニティに関する情報の多くは,チラシやニュースレター,またはTwitterやブログなどの電子媒体での発
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2019/9/10現在) 関西館図書館協力課調査情報係 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E2130ほか参照)に続き,2019年5月中旬から2019年9月上旬までの主な情報を紹介する。 ●被災地の図書館等の活動 8月23日,石巻市図書館(宮城県)により仮設住宅団地を巡回していた移動図書館車「ひより号」が,住宅の再建が進んで仮設住宅入居者が減ったことから,運行を終了した。 http://www.is-lib.jp/hiyori201908.pdf https://www.facebook.com/ishinomaki.library/photos/a.230464637699513/521332098612764/ https://hibishinbun.com/news/?a=9692 ●デジタルアーカイブに関する動き 6月2
国の分野横断統合ポータル ジャパンサーチ試験版公開後の動向 電子情報部電子情報企画課次世代システム開発研究室 デジタルアーカイブジャパン推進委員会及び実務者検討委員会(内閣府知的財産戦略推進事務局が庶務)によって進められている,国の分野横断型の統合ポータルであるジャパンサーチは,2019年2月27日の試験版公開からおよそ半年が経過した。公開後も機能の追加等は順次行われている。この間の動きをレポートしておきたい。 ●機能の追加 試験版公開後,ジャパンサーチにはこれまでに2つの機能を追加した。 まず,5月にはウェブパーツ機能を追加した。これは,ジャパンサーチで使われている画面の構成要素を,ブログパーツのように,ジャパンサーチ以外のウェブサイトに貼り付けることができる機能である。ジャパンサーチには,利用者が自分の気に入ったコンテンツのメタデータやギャラリー(ジャパンサーチと連携しているデータベー
広田照幸『教育は何をなすべきか:能力・職業・市民』岩波書店, 2015. 日本の教育の方向性についての論考集で、2005年から2013年の間に発表された論文や講演の記事などを収録している。著者は日本教育社会学会の会長で、日本大学文理学部教育学科の教授である。僕の同僚ということになる。多くの著書があるが、最初に読むならば本書よりも『日本人のしつけは衰退したか』(講談社現代新書, 1999)が、非常にスリリングで面白く、かつ入手しやすいのでお勧めである。 構成は前半と後半に分かれており、前半では自由、メリトクラシー、生れつきの能力差、職業教育、市民教育、ボランティアについて論じられる。後半では、大正時代の成城学園の教育方針から教育の在り方を考察する論考、戦前の職業教育、青少年政策、今後の日本の教育について論じられる。「平等な教育機会を子どもに保障すること」、この認識が全体のトーンを決定している
朝比奈なを『ルポ 教育困難校』朝日新書, 朝日新聞出版, 2019. 宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』新潮新書, 新潮社, 2019. 低学力層について報告する二作。片方は一応普通に日常生活をおくっている高校生の話であり、一方は犯罪者の話なので、並べて紹介するのは前者に失礼なことなのかもしれない。だが、二つの書籍が提示する低学力≒低知能の目安がほぼ共通していたこともあって、記録しておきたくなった。 『ルポ 教育困難校』は底辺高校に教師として勤めた経験のある著者によって書かれている。チャイムが鳴ってから生徒を席につかせるのまでに時間を取られる、トラブル対処に教員のエネルギーに割かれて教育どころではない、扱いにくい生徒は自主退学するように誘導する、などなどの実情が描かれている。巷間問題になっている「ブラック校則」なども、底辺高校では秩序維持のための現実的な対処方法なのである。おおよそ偏
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