40年前に一度絶滅した国の特別天然記念物・コウノトリ。野生復帰事業で放鳥された鳥やその子どもが、全国の空で羽ばたいている。目撃情報は青森県から鹿児島県に広がり、6年間で約1000件にのぼる。コウノトリの飛来は、餌となるカエルやドジョウが水田にすみ、生き物と共生する有機農業が行われている証しで、コウノトリは「環境のバロメーターであり、有機農業をする人の希望の星」(関係者)。幸せを運ぶ鳥として各地で歓迎されている。 国内のコウノトリは71年、野生下でいったん絶滅。兵庫県は05年、飼育した個体の放鳥を同県豊岡市で始めた。県立コウノトリの郷(さと)公園によると、これまでに27羽を放鳥し、36羽の2世が誕生。衰弱して死亡した鳥もあり、今年巣立った9羽も含め今は計47羽(6日現在)が大空を飛んでいる。 目撃情報は今年も長崎県、新潟県、群馬県、青森県などから同公園に寄せられた。 東日本大震災約1カ月後の