編集部からのお知らせ: 本記事は、書籍『俺たちの「戦力外通告」』(著・高森勇旗、ウェッジ)の中から一部抜粋し、転載したものです。記事内の写真は著者提供です。 今日、戦力外通告を受ける。 そのことは、昨日の電話で既に知っている。朝、いつもと同じように起き、同じ道を通って球場に向かう。いつもと違うのは、スーツを着ているということ。ただ、それだけである。 それだけなのに、この気持ちはなんだろう。 長い野球人生だった。小学校3年生のときに半ばやらされて始めた野球は、いつのまにか人生の中心にあった。試合に勝つこと、仲間と協力すること、思い通りにならないこと、そして、自分自身を高めること。人生において大切なことは全て、野球から教わった。“プロ野球”という一つの完成されたフィクションに、人生の全てを注ぎこんできた。それが、今まさに終わろうとしている。 「どんな気持ちになるのかな」 情熱の全てを注ぎこんで