宮崎県都城市に隣接する鹿児島県曽於(そお)市は一部地域が発生地から20キロ圏内に入るため、市によれば、約30戸の畜産農家が搬出制限区域内に入る見通しだ。これらの農家では計約1600頭の牛と豚を飼育している。市の担当者は「とにかく鹿児島への侵入阻止に全力をあげなければ」と話した。 一方、県は午前9時半から、伊藤祐一郎知事を本部長とする口蹄疫(こうていえき)対策本部会議を緊急開催。伊藤知事は「準非常事態」を宣言し、「県に一番近い地域で発生した。長期化することを覚悟し、国や宮崎県と力を合わせて全力で対応してほしい」と呼びかけた。 だが、地元農家の不安は募るばかりだ。同市の畜産農家上岡義孝さん(40)は「曽於市は都城市の経済圏にあり、市民の往来も多い。侵入を県境で食い止めるのは難しいかもしれない」と語った。