【テヘラン鵜塚健】イランが駐米サウジアラビア大使の暗殺を計画したと米国が主張している事件で、サウジ政府は潘基文(バン・キムン)国連事務総長に対し、国連安保理での討議を要請した。国営サウジ通信が15日伝えた。イランとサウジは長年ライバル関係にあり、今年3月にはバーレーン情勢を巡り関係が悪化。今回の暗殺計画浮上を機にさらに険悪化している。 「我々に対抗するどんな行為にも責任を負わせる」。サウジのサウド外相は13日、イランを非難し、暗殺計画に対する対抗措置をほのめかしていた。 イランはイスラム教のシーア派、サウジはスンニ派の盟主をそれぞれ自負し、中東地域で覇権を争ってきた。内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した08年の米外交文書によると、サウジのアブドラ国王は米政府に対し、「蛇の首をへし折れ」との表現でイランへの軍事攻撃を要請していたとされる。その際に国王の意思を米側に伝えた人物が、暗殺計画