騒音の苦情を申し立てるために他人の部屋に侵入したとして、住居侵入罪に問われた神戸市内の男性会社員(54)の控訴審判決が13日、大阪高裁であった。 湯川哲嗣裁判長は「被告が立ち入ったのは、社会通念上、相当な行為」と述べ、罰金5万円(求刑・罰金10万円)とした1審判決を破棄、無罪を言い渡した。 会社員は2007年2月、同市中央区のマンションに住む母親から「上の階の物音がうるさい」と相談され、苦情を言おうと上階の部屋を訪ね、正当な理由なく玄関に侵入した、として在宅起訴された。 昨年10月の1審判決は「訪問前、住民側に連絡し、玄関に入る際も住民側の了解を得るべきだった」などと指摘。これに対し、湯川裁判長は、部屋が施錠されていなかったうえ、会社員がインターホンを押して「すいません」と声をかけるなどしていたことから、立ち入り行為は許されるとした。