【北京・西岡省二】中国から北朝鮮への物資輸送に使われた中国所有の貨車計約2000台を、北朝鮮が自国内で使用するため返却していないことが分かった。北朝鮮の経済関係者が4日明らかにした。中国側は、北朝鮮に返却の意思がないと判断し、両国間の鉄道協定破棄を通告した。北朝鮮は最高指導者、金正日(キムジョンイル)総書記の健康問題などが影響し、明確な対応を示していない模様だ。 中国から北朝鮮に食糧などの物資を送る際、貨車は北京-平壌間の国際列車に連結され、中朝国境を越えて新義州(シンウィジュ)駅(北朝鮮平安北道(ピョンアンプクド))で切り離された後、北朝鮮側の列車に連結される。 関係者によると、北朝鮮では原材料不足などで貨車が慢性的に不足し、日本植民地時代の木造貨車も使われているという。80年代ごろから中国から送られた貨車を自国で借用し始め、90年代中盤以後はほとんど返却しなくなり、総数は2000台程度