単一通貨ユーロの参加に必要な収斂条件は、マーストリヒト条約に定められ、以下の4つの条件が存在する。 (1) 物価安定: 直近1年間のインフレ率が加盟国中最も低い3か国の平均値を1.5%ポイント以上上回っていないこと (2) 財政安定: 原則として、財政赤字(対GDP)が3%以下で、公的債務残高(対GDP)が60%以下であること (3) 金利安定: 名目長期金利が、加盟国中最もインフレ率が低い3か国の平均値を2%ポイント以上上回っていないこと (4) 為替安定: 加入前の2年間、通貨切下げを実施せず、直近1年間で通貨が欧州為替相場メカニズム(ERM)の許容変動幅内にあること この4条件のうち、『2番目の「財政赤字(対GDP)が3%以下」という条件は、名目GDP成長率が5%以上の場合、「政府債務残高(対GDP)が60%以下」という条件と整合的』である。これは、「ドーマーの命題」から直ちに分かる
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