三浦しをん、万城目学を輩出した著作権エージェント「ボイルドエッグズ」が築いたものーー村上達朗氏の訃報に寄せて 著作権エージェントの有限会社ボイルドエッグズを創業した村上達朗氏が10月2日、死去した。三浦しをん、万城目学という2人の直木賞作家を発掘し、滝本竜彦から坪田侑也まで若い世代の心を引きつける作家を続々と送り出した名編集者としての顔があり、同時に出版社に代わって作家の育成から売り込みまで手がけるエージェントという機能を、日本の出版界に広めた功労者だった。 10月22日に息女の森薫氏からメールが届いて、村上達朗氏の死去を知った。程なくして毎日新聞に村上氏の訃報が載り、朝日新聞や読売新聞、そして共同通信が配信した記事を全国の各紙が掲載して、著作権エージェントとして三浦しをんや万城目学らを輩出した人物であったことを伝えた。単に直木賞作家の“生みの親”としてだけでなく、ボイルドエッグズを通して