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ブックマーク / realsound.jp (117)

  • 三浦しをん、万城目学を輩出した著作権エージェント「ボイルドエッグズ」が築いたものーー村上達朗氏の訃報に寄せて

    三浦しをん、万城目学を輩出した著作権エージェント「ボイルドエッグズ」が築いたものーー村上達朗氏の訃報に寄せて 著作権エージェントの有限会社ボイルドエッグズを創業した村上達朗氏が10月2日、死去した。三浦しをん、万城目学という2人の直木賞作家を発掘し、滝竜彦から坪田侑也まで若い世代の心を引きつける作家を続々と送り出した名編集者としての顔があり、同時に出版社に代わって作家の育成から売り込みまで手がけるエージェントという機能を、日の出版界に広めた功労者だった。 10月22日に息女の森薫氏からメールが届いて、村上達朗氏の死去を知った。程なくして毎日新聞に村上氏の訃報が載り、朝日新聞や読売新聞、そして共同通信が配信した記事を全国の各紙が掲載して、著作権エージェントとして三浦しをんや万城目学らを輩出した人物であったことを伝えた。単に直木賞作家の“生みの親”としてだけでなく、ボイルドエッグズを通して

    三浦しをん、万城目学を輩出した著作権エージェント「ボイルドエッグズ」が築いたものーー村上達朗氏の訃報に寄せて
  • 好調出版社『アルファポリス』 ベストセラー連発の生え抜き編集者・滝澤友梨に聞く、ヒット量産の秘訣は?

    アルファポリスの生え抜き編集者・滝澤友梨氏。何よりも漫画好きの編集者であり、作品づくりだけではなく、ヒットを生み出すためにさまざまなインプットとアイデアを生み出すことに労力を厭わない努力家でもある 活況を呈する電子書籍市場において、圧倒的な存在感を誇るのが「アルファポリス」である。アルファポリスは2000年の設立。半世紀以上の歴史をもつ企業が多い出版業界のなかでは若い出版社といえるが、数々のヒットを連発し、今年も5作品がアニメ化され、漫画好きにとって無視できない存在になっている。 いったいなぜ、ヒットを連発することができるのだろうか。今回、コミカライズ作品で話題作を連発している編集者・滝澤友梨氏にインタビュー。滝澤氏は、漫画と担当作品を誰よりも愛し、作家と二人三脚で創り上げていく、情熱溢れる編集者であった。 ■編集者個人の“好き”を優先させてくれた 『最後にひとつだけお願いしてもよろしいで

    好調出版社『アルファポリス』 ベストセラー連発の生え抜き編集者・滝澤友梨に聞く、ヒット量産の秘訣は?
  • 豪屋大介とは何者だったのか? 先駆的なライトノベル『A君(17)の戦争』復刊に寄せて

    2001年から2006年にかけて、富士見ファンタジア文庫から『A君(17)の戦争』と『デビル17』という2つのライトノベルのシリーズを刊行していた豪屋大介。その後パタリと活動が途絶えてしまったが、この9月6日に中央公論新社から単行で『A君(17)の戦争』シリーズが復刊された。読めば誰もが驚くだろう。異世界に転移・転生し、そこで才能を爆発させ、逆境をひっくり返すという今のライトノベルで主流となっている設定が先取りされている上に、問題が山積みとなっている人類社会を鋭くえぐるメッセージに溢れた作品だからだ。 富野由悠季監督のテレビアニメ『聖戦士ダンバイン』を覚えているだろうか。世界各地から人間が異世界に召喚されて活躍するストーリーだが、そこに登場したショウ・ザマはまずまずの顔立ちで、マーベル・フローズンもなかなかの美女で、ショット・ウェポンに至ってはイケメンな上にロボット工学の天才だった。CL

    豪屋大介とは何者だったのか? 先駆的なライトノベル『A君(17)の戦争』復刊に寄せて
  • 『涼宮ハルヒ』新作発表が話題 ライトノベル&アニメ業界を席巻した“トリックスター”が今も支持され続ける理由とは|Real Sound|リアルサウンド ブック

    涼宮ハルヒは遍在する。いつの時代にも。誰の心にも。11月29日にシリーズ最新巻となる『涼宮ハルヒの劇場』が発売されると告知されるや、ニュースとなって全世界を駆け巡ったことがその証拠だ。「涼宮ハルヒ」シリーズはただのライトノベルではないのか。なにがこれほどまでに世界を盛り上げ続けているのか。 谷川流が第8回スニーカー大賞に応募して〈大賞〉を獲得した小説『涼宮ハルヒの憂』が刊行されたのは2003年6月のこと。『トリニティ・ブラッド』のシリーズで知られる吉田直の『ジェノサイド・エンジェル:叛逆の神々』、安井健太郎の『ラグナロク』に続く大賞受賞作といった話題性はあったが、バトルアクションなりファンタジーといったライトノベルで主流のカテゴリーとは少し違った内容で、どこまで人気が出るかは未知数だった。 何しろひねくれていた。語り手となるキョンと呼ばれる高校生の男子が、入学した日の自己紹介で突拍子もな

    『涼宮ハルヒ』新作発表が話題 ライトノベル&アニメ業界を席巻した“トリックスター”が今も支持され続ける理由とは|Real Sound|リアルサウンド ブック
  • 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』大ヒットで注目 スターツ出版「感動プロデュース」戦略を読む

    『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『鬼の花嫁』『すべての恋が終わるとしても』といった、読者の感動を強く誘う作品を続々と送り出し、「感動プロデュース企業へ」という経営ビジョンを着実に遂行しているスターツ出版。老舗の文芸出版にはないフットワークの軽さと、ティーンや女性といった読者層のニーズをとらえる企画力で躍進を続けている。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の映画が興行収入45億円の大ヒット作となったこともあり、出版界全体でアクションやミステリーとは違ったエモーショナルな作品を探す動きが強まる中、作品を集めつつ読者層を広げて存在感を高めていこうとしている。 人気漫画を原作にした『キングダム』の映画が好成績をあげる中、同じ実写の邦画でこれに迫る好成績をあげた映画が『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』だ。スターツ出版文庫から刊行中の汐見夏衛による小説が原作で、現代の女子高生が

    『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』大ヒットで注目 スターツ出版「感動プロデュース」戦略を読む
  • アルファポリスの快進撃 好調要因は、相次ぐアニメ化と“ネットの才能”集める目利き力

    主にインターネット発のコンテンツを扱う出版社・アルファポリスが好調だ。2025年3月期の第1四半期決算で、売上高が前年同期比の27.0%増となる30億7600万円に達し、四半期単位で過去最高を記録。経常利益も同36.1%増の7億1500万円を確保している。 “出版不況”が叫ばれて久しいなかで、アルファポリスはなぜこれだけの成長を見せているのか。同社は、自社作品のTVアニメ化により原作であるライトノベル/コミックの売上が増加したことを要因として挙げており、実際に『月が導く異世界道中』『Re:Monster』『THE NEW GATE』と、期内に放送されたアニメが当たっている。しかし、「たまたま人気作のアニメ化が続いた」という“特需”的な売上増ではなさそうだ。出版業界の動向に詳しいライター・書評家のタニグチリウイチ氏が語る。 「アルファポリス作品のアニメ化自体は、2021年に『月が導く異世界道

    アルファポリスの快進撃 好調要因は、相次ぐアニメ化と“ネットの才能”集める目利き力
  • アニメ化決定で注目! 江戸時代から平成まで戦い続ける大河ファンタジー『鬼人幻燈抄』誕生の背景とは?

    小説版『鬼人幻燈抄(一)』(双葉社) ーーアニメ化決定、おめでとうございます。主人公の甚夜(当初は甚太)を演じるのが八代拓さん、妹の鈴音は上田麗奈さん、甚夜が守る巫女の白雪は早見沙織さんと人気声優がキャスティングされていて、期待が高まります。 中西モトオ(以下、中西):基的にサブカルチャーが大好きなので、知っている有名な方々が声を当ててくれるというだけでもう嬉し過ぎて、これは夢なんじゃないかと思っています。中学生の頃に読んでいた上遠野浩平先生の『ブギーポップは笑わない』(KADOKAWA)が大好きで、そのテレビアニメ(2019年版)で谷口正樹というキャラクターを演じていたのが八代さん。その方に自分のキャラクターを演じていただけるのはとても光栄です。 ーー上遠野先生の「ブギーポップ」シリーズがお好きということですが、『鬼人幻燈抄』にもその要素が入っているということなのでしょうか。 中西:こ

    アニメ化決定で注目! 江戸時代から平成まで戦い続ける大河ファンタジー『鬼人幻燈抄』誕生の背景とは?
  • 『誰が勇者を殺したか』などの話題作で2024年ラノベ界を席巻 駄犬の作品に駄作なし!

    名前に「駄」の字は入っても、書くものに駄作はひとつもない作家が駄犬だ。2023年9月29日刊行の『誰が勇者を殺したか』(角川スニーカー文庫)が魔王を倒した勇者パーティーの中で、勇者だけが帰還しなかった謎に迫るストーリーで話題になった後も、面白い作品を刊行し続けている。そしてこの8月1日、完璧にまとまっていた『誰が勇者を殺したか』に意外な方向から“続編”を投入し、前後して新作も刊行とノリにノった活躍ぶりを見せている。 魔王が勇者のパーティーによって倒されてから4年。王国はメンバーでひとり帰還しなかった勇者アレスの偉業を記録した文献を編纂する事業を立ち上げる。2023年9月29日に出た『誰が勇者を殺したか』はそこから、メンバーだった騎士のレオン、聖女のマリア、賢者のソロンからアレスとはどのような人物だったのかを聞き進めていくストーリーが始まるが、なぜか全員がアレスの死の詳細について言葉を濁す。

    『誰が勇者を殺したか』などの話題作で2024年ラノベ界を席巻 駄犬の作品に駄作なし!
  • アニメ映画『モノノ怪』『きみの色』をさらに楽しむために ノベライズで深まるキャラクターたちへの理解

    映像とセリフからストーリーや情動を感じて楽しむのが映画なら、そのノベライズは映画では語られていない心情や設定を確認し、作品への理解を深めることに役立つ。7月26日に公開となった『劇場版モノノ怪 唐傘』と、8月30日に公開となる『きみの色』という2のアニメ映画のノベライズも、映画の世界を詳しく知って、改めて映画を見る楽しみを与えてくれる。 『劇場版モノノ怪 唐傘』(角川文庫) 中村健治監督が、2007年に放送されたTVシリーズ『怪~ayakashi~』の中で「化」というエピソードを手がけたことで誕生した世界が、2008年に独立したTVシリーズ『モノノ怪』となって広がった。人の情念が怪(アヤカシ)にとりついてモノノ怪となって暴れ出すのを、謎めいた風貌をした薬売りが退魔の剣を使って退治していく。日ならではの怪談に、極彩色で絢爛とした背景を与えて独特な雰囲気を作り出したことで、熱狂的なファン

    アニメ映画『モノノ怪』『きみの色』をさらに楽しむために ノベライズで深まるキャラクターたちへの理解
  • 「書店にない」ラノベ人気作『涼宮ハルヒの憂鬱』絶版騒動ーー公式反応でファン安堵も看過できない理由は?

    谷川流『涼宮ハルヒの憂』(KADOKAWA) 2003年に『涼宮ハルヒの憂』が発売されて以来ベストセラーとなっている『涼宮ハルヒ』シリーズ。2000年代のライトノベルの金字塔であるだけでなく、京都アニメーションによってアニメ化されて大ヒット。京アニの評価を決定づけた、この時代を象徴するアニメのひとつとされている。 そんな『涼宮ハルヒ』シリーズの公式Xが、7月16日に行ったポストがファンの間で話題になっている。それは以下のようなものだ。 「涼宮ハルヒ」シリーズはいずれも紙のでの販売を継続しており、絶版にはなっておりません! 今でも少しずつ重版を重ねて書店さんに置いていただいています。安心してお楽しみください! もちろん全巻電子書籍も発売中です。 角川スニーカー文庫版も、角川文庫版も、どちらも発売中です。気に入った装丁でぜひお手に取ってください! 「涼宮ハルヒ」シリーズはいずれも紙の

    「書店にない」ラノベ人気作『涼宮ハルヒの憂鬱』絶版騒動ーー公式反応でファン安堵も看過できない理由は?
  • 『オルクセン王国史』『TS衛生兵の戦場日記』『幼女戦記』……戦争の苛烈さを描くライトノベル

    戦争は悲惨で痛ましい。けれども人類の歴史から戦争がなくなったことはない。どうして戦争は起こるのか。絶対に避けられないものなのか。どうすれば戦争に勝てるのか。樽見京一郎『オルクセン王国史 野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか』(サーガフォレスト)、やまさきたま『TS衛生兵さんの戦場日記』(エンターブレイン)、カルロ・ゼン『幼女戦記』(エンターブレイン)といったライトノベルの作品群が、否応なしに戦争と向き合わなくてはならない世界で、改めて戦争について考える機会をくれる。 『オルクセン王国史 野蛮なオークの国は、如何にして平和なエルフの国を焼き払うに至ったか(1)』 エルフからの激しい差別を受け、滅亡の危機に瀕していたダークエルフ族の氏族長、ディネルースが襲撃を逃れてたどり着いたのがオーク族の領地。そこでディネルースは、オーク族を率いる国王のグスタフに助けられる。樽

    『オルクセン王国史』『TS衛生兵の戦場日記』『幼女戦記』……戦争の苛烈さを描くライトノベル
  • 『変な家』の飛鳥新社、ライト文芸レーベル「with stories」創刊の狙い 「挑戦したい人たちと純粋に面白いものを作りたい」

    「感動と勇気を。物語と共に。」――そんなキャッチフレーズとともに4月23日、飛鳥新社からライト文芸の新レーベル「with stories」が創刊された。ラインアップは高校生の男子と女子がユニットを組んで音楽ライブに挑む高橋びすい『ハジマリノウタ。』と、人の心に棲みつく魚が見えてしまう少年が主人公の文月蒼『水槽世界』。どちらも青春のまっただなかにいる人たちが読んで、前に進む勇気をもらえる物語となっている。どのような思いでこの作品を書いたのかを『ハジマリノノウタ。』の高橋びすい、どのような読者に「with stories」の作品を届けたいのかを編集担当の内田威に聞いた。(タニグチリウイチ) 高橋びすい『ハジマリノノウタ。』 ――高橋びすい先生は昨年9月にMF文庫Jから『エヴァーラスティング・ノア この残酷な世界で一人の死体人形を愛する少年の危険性について』を刊行するなど、10年近くライトノベル

    『変な家』の飛鳥新社、ライト文芸レーベル「with stories」創刊の狙い 「挑戦したい人たちと純粋に面白いものを作りたい」
  • ファンタジア、電撃小説、スニーカー……老舗ラノベ新人賞〈大賞〉受賞作がそろい踏み 各賞の傾向は?

    ファンタジア大賞、電撃小説大賞、スニーカー大賞はいずれも四半世紀超の歴史を誇るライトノベルの新人賞。『スパイ教室』『涼宮ハルヒの憂』『ブギーポップは笑わない』といったヒット作を送り出し、人気作家を生み出してきた。この3つの賞でそれぞれに〈大賞〉を獲得した作品が2月に続けて刊行。その内容からは各賞を運営するファンタジア文庫、スニーカー文庫、電撃文庫といったレーベルが目指しているところや、今のラノベ読者を引きつけそうな要素が見えてくる。 2月1日に第28回スニーカー大賞〈大賞〉受賞作として凪『人類すべて俺の敵』(スニーカー文庫)が刊行され、2月10日に第30回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作の夢見夕利『魔女に首輪は付けられない』(電撃文庫)が登場。2月20日に第36回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞作として零余子『夏目漱石ファンタジア』(ファンタジア文庫)が発売となって、書店のラノベコーナーに新刊とし

    ファンタジア、電撃小説、スニーカー……老舗ラノベ新人賞〈大賞〉受賞作がそろい踏み 各賞の傾向は?
  • 2024年はラノベ原作アニメが大豊作 『転スラ』など“最強主人公”はなぜ好まれる?

    1月も中旬を過ぎ、冬アニメの初回が出そろいつつある今日この頃。2024年は、ライトノベルを原作としたアニメが大豊作な年であることをご存じだろうか。 『転生したらスライムだった件』第3期、『魔法科高校の劣等生』第3シーズン、『この素晴らしい世界に祝福を!3』……。少々気が早い話だが、4月から始まる春アニメだけでも超絶豪華なラノベ作品が名を連ねている。 この記事では、ラノベ原作の神アニメに宿る「人気の理由」を2024年放送の作品郡から考察。視聴者を引き付けるラノベ作品について、その共通点を探っていこう。 大人版の“戦隊ヒーロー”? 主人公の活躍がもたらす安心感 『転生したらスライムだった件』『魔法科高校の劣等生』を挙げれば、その共通点はやはり「主人公が異様に強い」こと。 強い主人公たちが支持されている理由は、彼らの活躍が最近の若者に安心感を与えているからだろう。 筆者も含めた最近の若者にとって

    2024年はラノベ原作アニメが大豊作 『転スラ』など“最強主人公”はなぜ好まれる?
  • 聖地巡礼、萌え4コマ、踊ってみた……『涼宮ハルヒの憂鬱』と『らき☆すた』が生んだ数多のポップカルチャー

    聖地巡礼、萌え4コマ、踊ってみた……『涼宮ハルヒの憂』と『らき☆すた』が生んだ数多のポップカルチャー 午前0時にカウントダウン発売された。9万人だった初詣客を30万人まで激増させた。谷川流のライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズと、美水かがみの漫画『らき☆すた』(共にKADOKAWA刊)が成し遂げた偉業の一部だ。2024年3月に埼玉県所沢市のところざわさくらタウンで、この2作品が20周年を迎えたことを記念するイベント『SOS☆感謝祭~祝20周年!!大いに原作に思いを馳せる「涼宮ハルヒの憂」と「らき☆すた」の感謝祭~』が開催。当時のポップカルチャー界における賑わいを思い出させてくれそうだ。 2011年の5月24日から25日へと日付が変わる時間に、東京・秋葉原でカウントダウンイベントが開かれた。PCのOS「ウィンドウズ98」がリリースされた時などに、こうした日付をまたいでの発売イベントが行われ

    聖地巡礼、萌え4コマ、踊ってみた……『涼宮ハルヒの憂鬱』と『らき☆すた』が生んだ数多のポップカルチャー
  • Re:ゼロ、よう実、たんもし……ヒット作が続々誕生! MF文庫JがKADOKAWAラノベの頂点に立てた理由

    スニーカー文庫や電撃文庫など、幾つものライトノベルレーベルを持つKADOKAWAにあってMF文庫Jが好調だ。2022年のKADOKAWAにおけるライトノベルレーベルで売上げナンバーワンになり、2023年に入っても『このライトノベルがすごい!2024』のベストテンに『死亡遊戯で飯をう。』『ステラ・ステップ』『探偵はもう、死んでいる。』を送り込んで存在感を見せている。MF文庫J好調の理由はどこにあるのか? あなたはいつからMF文庫Jを読み始めたのか。2002年の創刊から21年もの時が経っているレーベルだけに、その答えも様々だろう。TVアニメになって釘宮理恵が演じるルイズの愛らしさで大人気となり、異世界転移・転生がブームとなるきっかけも作ったヤマグチノボル『ゼロの使い魔』を挙げる人が多そうだが、TVアニメ化なら『ゼロの使い魔』より早かった桑島由一『神様家族』を挙げる人もいるかもしれない。 ほか

    Re:ゼロ、よう実、たんもし……ヒット作が続々誕生! MF文庫JがKADOKAWAラノベの頂点に立てた理由
  • 京アニ「KAエスマ文庫」新刊2冊は魂を受け継ぐ作品だーーアニメ化への切なる期待

    京都アニメーションが刊行しているKAエスマ文庫から11月22日に刊行された、賀東招二の『MOON FIGHTERS!』と吉田玲子による『草原の輝き』という新作ライトノベル。賀東は『フルメタル・パニック? ふもっふ』の原作者で、吉田は『たまこまーけっと』『リズと青い鳥』の脚家といった具合に、共に京アニと関わりが深いふたりの作品は、小説として読んで楽しめる上に、生き生きとしたキャラクターや情景の描写で映像化への期待が浮かんでしまう。 今でこそ圧倒的な画力や演出力で世界に知られる京アニだが、元請けとして制作を始めたのは2003年の『フルメタル・パニック? ふもっふ』から。この『フルメタル・パニック? ふもっふ』でアクション満載の学園コメディを見せ、2005年の『フルメタル・パニック! The Second Raid』で一変してシリアスなロボットバトルを描いたことで、京アニという制作会社にアニメ

    京アニ「KAエスマ文庫」新刊2冊は魂を受け継ぐ作品だーーアニメ化への切なる期待
  • ライトノベルの「勇者」に変化? 『誰が勇者を殺したか』『葬送のフリーレン』が示す新たな勇者像

    ファンタジーの世界にあって、強さの象徴ともいえる存在が勇者だ。行く手を阻むモンスターどもをなぎ倒し、世界を脅かす魔王やドラゴンから人々を開放する英雄。そんな風に捉えられているが、最近はありがちな勇者像を広げたり、覆したりするような物語がいくつも現れ評判となっている。どのような勇者なのか。人気の理由はどこにあるのか。 『転生したらスライムだった件』のような人気シリーズの新刊や、『薬屋のひとりごと』をはじめとしたTVアニメ化作品が上位に並ぶことが多い楽天ブックスのライトノベル週間ランキングに、2週間連続でベスト10以内に入ったライトノベルが、9月29日発売の駄犬『誰が勇者を殺したか』(スニーカー文庫)だ。 元は小説投稿サイト「小説家になろう」に連載された作品で、同じようなネット発の異世界ファンタジーや、流行のラブコメ作品が並ぶラインアップの1冊として発売された。そのまま押し寄せる新刊の波に流さ

    ライトノベルの「勇者」に変化? 『誰が勇者を殺したか』『葬送のフリーレン』が示す新たな勇者像
  • 【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界

    『陋巷に在り』『泣き虫弱虫諸葛孔明』といった、中国に題材を取った小説で知られる作家の酒見賢一が11月7日に死去した。ネットにはまだ59歳だったのかといった驚きや、『泣き虫弱虫諸葛孔明』とTVドラマが放送中の『パリピ孔明』との関係を類推する声がずらりと並んだ。わけてもデビュー作『後宮小説』が、後の『十二国記』や『彩雲国物語』、そしてこちらもTVアニメが放送中の『薬屋のひとりごと』にもたらした影響を問う声が多くあって、中華風のファンタジーやミステリで盛り上がる今の小説状況を、30年も前に拓いた作家として再注目が集まっている。 『後宮小説』は酒見賢一のデビュー作で、1989年に第1回日ファンタジーノベル大賞を受賞して刊行され、第102回直木賞の候補にもなった。「腹上死であった、と記載されている」という驚きの書き出して始まる小説は、そうした死因による皇帝の崩御から始まり、次の皇帝即位に向けて新し

    【追悼】『十二国記』や『薬屋のひとりごと』の先駆け 酒見賢一『後宮小説』が拓いた中華風エンタメ小説の世界
  • ライトノベルの人気は本当に衰えたのか? あらゆるジャンルに波及したラノベ的要素を考察

    ライトノベルが人気という。日向夏の『薬屋のひとりごと』がTVアニメとなって話題沸騰中。アネコユサギ『盾の勇者の成り上がり』もTVアニメのSeason3が放送開始となってファンを喜ばせ、いのり。による『私の推しは悪役令嬢』のTVアニメも”悪役令嬢もの”の新機軸として評判を呼んでいる。もっとも、ライトノベルは以前に比べて売れてないといった声もある。いったいどちらなのか? その差はライトノベルをどう見るかといった意識の違いにあるようだ。 11月25日に宝島社から『このライトノベルがすごい!2024』が刊行となる。2023年に話題となったライトノベルを、読者や識者に聞いてランキングにしたもので、文庫部門で衣笠彰梧『ようこそ実力至上主義の教室へ』の連覇はあるか、裕夢『千歳くんはラムネ瓶のなか』が巻き返して3度目の1位を獲得するのか、単行部門で香月美夜『好きの下剋上~司書になるためには手段を選んで

    ライトノベルの人気は本当に衰えたのか? あらゆるジャンルに波及したラノベ的要素を考察