同姓同名の友達がいる。山田花子と山田華子くらいの違いはあるので、正しくは“ほぼ同姓同名”になるのだけれど。血液型も生まれ年も同じで(私たちは早生まれで、私たちが出会ったとある集団におけるその年の生まれは私と彼女だけだった)ちょっと運命めいたものを感じている。すべての人に運命の出会いというものが用意されているのだとしたら相手は彼女だろうな、と思うくらいに。 先日、ふたりで旅行をした際、彼女から「男じゃなくてごめん」と謝罪された。「私が男だったら、私たち、絶対に付き合っていたよね」と。それから前世はまちがいなく夫婦だったということや来世ではたとえ男同士に生まれていたとしても結婚しようというようなことを話した。私と彼女は慣れない日本酒をそこそこのペースで飲み終えたあとで、完全に酔っ払っていた。素面ならば彼女は同性愛に嫌悪感を示す性質だろう(と私は思っている)。それでも、否、だからこそ彼女の言葉は
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