ロシア軍と戦い亡くなったウクライナ兵士の遺影が並ぶ壁で、父親の写真を見つけた男の子=キーウで2023年2月8日、宮川裕章撮影 広場には、破壊されたロシア軍の戦車が野ざらし状態で展示されていた。その前で記念写真を撮る人たち。公園のベンチでは、お年寄りたちが和やかに語り合っている。 ロシアによる侵攻開始から1年を前に訪れたウクライナの首都キーウ(キエフ)は、一見、平穏な日常を取り戻したかのように見えた。だが市内にある「思い出の壁」に飾られる戦死者の写真は、日ごとに増えた。 家族の遺影に花を手向ける女性。東部の激戦地では日々、若い兵士の命が奪われている。 結束する国民の底力 日常と戦争の非日常が入り交じるウクライナ各地を取材し、強く感じたのは、逆境に立ち向かう人たちの強さだった。 南部ヘルソン州プラブディネ村。ロシア軍は占拠した地域からの撤退時、大量の地雷を敷設した。ウクライナ国家緊急サービス地