8月、スウェーデン国内各地の学校には休暇を終えた生徒たちが戻ってきた。教師の多くは、印刷された書籍や静かな読書時間、文字を書く練習に新たな重点を置き、タブレットを使う時間や生徒が独自に行うオンライン検索、キーボードの入力練習に充てる時間を削っている。 スウェーデンは保育園へタブレットを導入するなど国を挙げて教育の超デジタル化を推進してきた。そのアプローチが基礎学力の低下を招いているのではないかと政治家や専門家は問題視。それを受けて従来の学習方法を取り戻すという方針となった。 2022年10月に発足した中道右派連立政権で教育大臣に就任したロッタ・エドホルム氏は、テクノロジーを全面的に受け入れる方針に厳しい批判の声を上げており、3月には「スウェーデンの生徒にはもっと多くの教科書が必要であり、学習には形ある教科書が重要なのだ」と訴えていた。 同氏は8月、デジタルデバイスを幼児教育に導入することを